キーボードには「Tab(タブ)」というキーがあります。タブとは、タビュレータTabulator、つまり一覧表のことです。文字を縦にそろえることで、表の形にするというのが本来の使い方です。縦に揃っているときれいに見えます。
表の形にするためには、横方向に自由に動かせる必要があります。この性質を利用して、タブを使って横方向に伸縮自在の余白を入れるときにもタブを使います。
タブはきれいな文書を作るための機能であり、文字列の位置を自由に決定することのできる重要な機能であるにもかかわらず、ネット上の練習問題が不足しており、正しく使えない人が多いのが現状です。
そこで、今回は、「タブ」の基本的な使い方とパターンについて出題します。
目次
問題文のあとに簡単な操作方法を解説していますが、静止画では、わかりにくいと思いますので、最後に動画を載せています。ぜひご覧ください。
- 1.準備(サンプルファイルはこちら)
- 2.タブの設定
- 3.タブの移動とインデント
- 4.タブの解除
- 5.複数行のタブ
- 6.タブ事例演習
- 7.右揃えタブ
- 8.同じ行で左揃えと右揃えを混在させる
- 9.タブリーダー(点線)
- 10.動画版はこちら(無料)
1.準備(サンプルファイルはこちら)
わえなび公式サイト(waenavi.jp)では、この記事で使用しているWordのデータを無料で配布しています。ご自由にお取りください。4-10の「サンプルファイル(ZIP)」です。
2.タブの設定
問題
次のように文字入力した。
この2行について、約10字、約20字のところにそれぞれタブを設定しなさい。
解説
タブを設定するときは、ルーラの数値の下の境界線をクリックします(参考:Wordを使用するときに確認しておいた方が良い設定チェックリスト)。このとき、L字のタブマーカと呼ばれるマークがつきます。
まずはタブキーを使って余白を入れます。この余白の長さを決定します。
2行選択します(2行選択するのを忘れてはいけません)。
ルーラの10、20のところをクリックします。このとき、「10」や「20」の数字ではなく、その数字の下の部分をクリックするのがポイントです。
これで2行とも10、20文字のところで縦に揃いました。
3.タブの移動とインデント
問題
さらに、2行目だけ、約5字、約15字、約25字のところにそれぞれ文字列を移動しなさい。
解説
下の行をクリックします。1行だけ設定する場合は、その行を選択するか、またはその行にカーソルを置かなければなりません。
タブマーカを右にドラッグすることによって、15、25にそれぞれ動かします。
このように余白の長さを後で変えることもできます。
左側の余白を増やすときは、タブではなく左インデントを動かします(参考:【Word】インデントとは何か?具体的な事例でインデントの「効果」を学ぼう)。
4.タブの解除
問題
タブとインデントを解除しなさい。
また、タブ文字を削除しなさい。
解説
タブを解除するときは、タブマーカーを、下向きに、ルーラから外すようにドラッグします。
タブは行単位(段落単位)で設定されます。1行目と2行目は異なる設定になっているので、解除するときはそれぞれの行で解除します。それでは実際にやってみましょう。
まず1行目から解除します。1行目をクリックします。
タブマーカを削除します(下向きにドラッグ)。
次に2行目を解除します。2行目をクリックします。
インデントを解除します。
最後にタブを4か所選択します(Ctrlキーによる同時選択)。
Deleteで削除します。
このように、タブの設定はTabキーで入れるタブ文字と、ルーラに設定するタブマーカがワンセットです。
5.複数行のタブ
問題
6行の文字列があり、タブが既に入力されている。
それぞれ指定された文字でタブまたはインデントを設定しなさい。また、これらの設定を解除しなさい。
解説
3行を範囲選択します(3行選択するのを忘れてはいけません)。
次に、タブを10、20、30のところに設定します。
次の3行を範囲選択します(3行選択するのを忘れてはいけません)。
タブを15、25、35字に設定します。
左インデントを5字に設定します。
大量に入ったタブを取り消すには、タブマーカをダブルクリックしてタブの設定画面を出したうえで、すべてクリアとすればよいです。それでは実際にやってみましょう。
3行選択します(3行選択するのを忘れてはいけません)。
タブマーカをダブルクリックします。
すべてクリア、OKのボタンを押します。
3行選択します(3行選択するのを忘れてはいけません)。タブマーカをダブルクリックします。
すべてクリア、OKのボタンを押します。
最後にインデントを戻します。
6.タブ事例演習
(1)タブのみ
問題
次の図のように項目を揃えなさい。また、コード番号37番、うどん県、高松市を追加しなさい。
解説
揃えるためには空白が必要です。スペースとタブはどちらも空白ですが、自由に伸びるか伸びないかが違います。揃えるときは必ずタブを使います。それでは実際にやってみましょう。
スペースで空けている部分は全部選択していったん消します。
次に、タブを入れます。タブの長さを決めていないので、今は揃っていません。このとき、3行のあとの4行目に改行があることを必ず確認します。
複数行なので、必ず範囲選択が必要です(3行選択することを忘れてはいけません。また、4行目の改行を選択してはいけません)。タブマーカを設定するときに点線が表示されるので適当な場所に設定します。
県庁所在地を揃えます。
これで完成です。
タブは行に対する設定(正確には段落書式)なので、改行すると次の行にもその設定が引き継がれます。
タブの場所を事前に設定しておけば、あとで、行を追加してもタブの設定は残りますので、タブを入れれば自動的に揃います。
また、県名の長さを変えても揃ったままです。
(2)タブ+左インデント
問題
次の図の項目を揃えて、下の3行を3字程度、右に動かしなさい。
解説
今度は点と点を結ぶことを前提として、点の部分を揃えます。まず、左端を揃えるのは左インデントを使います。タブを打つ必要はありません。それ以外の場所についてはタブで揃えます。それでは実際にやってみましょう。
まず、スペースのところをすべて削除して、タブにします。
範囲選択します。複数行なので、必ず範囲選択が必要です。
左インデントを3字に設定します。
タブを設定します。
このように設定しておけば、あとで、点と点の間の距離を自由に変えることができます。修正するときも範囲選択が必要です。
(3)タブの連続
問題
次の図の項目を揃えなさい。ただし、一部データが抜けている箇所があります。
解説
基本的に、タブを入れた位置から、タブマーカの位置まですべて空白で埋められるので、タブが2連続になることはありません。ただし、例外として項目がない場合は、2連続になってしまうこともありますが、めったにないことです。それでは実際にやってみましょう。
スペースで空けている部分は全部選択していったん消します。
次に、タブを入れます。ここで「北海道」が抜けているので、タブ文字が2連続になります。
鹿児島県の後に「鹿児島市」が抜けていますが、これは、タブ文字自体不要です。範囲選択します。タブマーカを設定して完成です。
(4)空欄
問題
次の図で、縦を揃えて、( )に書き込めるようにしなさい。
解説
空白をすべてタブに差し替えます。範囲選択をします。
タブマーカは2か所です。
ちなみに、タブマーカを動かすときに、同時に[Alt]キーを押すと微調整ができます。
さて、かっこを広げるのですがこれもタブを使いましょう。かっこの中にタブを打って、タブマーカを設定します。
いったん設定した後で、ちょうどいい大きさになるように、[Alt]キーを使いながら動かします。
これで完成です。
7.右揃えタブ
(1)金額を揃える
問題
次の図の金額を揃えなさい。さらに、この下にサラダ¥100を追加しなさい。
解説
タブを入れます。
範囲選択して、タブマーカを設定します。円マークが揃いました。しかし、本来なら1の位を揃えたいものです。
通常のタブは文字列の終わりからマーカの位置まで空白になります。そしてタブの位置より右側に文字列が入ります。しかし、数字や金額のように右揃えにしたいときは適切ではありません。
そこで、右側を固定するマーカの設定をします。このとき、文字列の終わりからマーカの位置までタブの効果が及びますが、文字を入力するとタブの位置の左側に入ります。これによって右側がそろうようになります。それでは実際にやってみましょう。
範囲選択して、先ほど挿入したタブマーカを取り除きます(下向きにドラッグ)。
次に、画面の左上を見ます。これを何回かクリックします。タブには左揃えタブ、右揃えタブの他にもいろいろ種類があることが分かります。右揃えタブのマークに変えます。
範囲選択して、右揃えタブの設定をします。
今度は、金額の右側で揃いました。改行すると次の行にも右揃えタブが引き継がれます。
右揃えタブの位置までタブの効果が及びますが、文字入力すると左側に文字列が伸びます。
(2)ページ番号を揃える
問題
次の図で「目次」を中央揃えにするとともに、それに合わせて各項目を配置しなさい。
解説
この問題も項目は左揃えですが、ページ番号は数値なので右揃えにすべきです。このように、同じ行の中で左揃えと右揃えの両方がある場合、左端はインデントが使えますが、右端はインデントを使わず、右揃えタブでそろえるのが基本です。それでは実際にやってみましょう。
まず、目次を中央揃えにします。タブ文字を入れます。
範囲選択をします。適当な位置まで左インデントを動かします。
最後に、右揃えタブの状態になっていることを確認して、タブの設定をします。
配置は一例です。
(3)行の一部だけ右揃え
問題
次の図のように、最後の「※別紙参照」を右に寄せなさい。
解説
文の途中に自由な長さの余白が取れることを利用した例です。文の長さが変わっても、別紙参照の文字は動かしたくないというような場合に使います。それでは実際にやってみましょう。
文の最後をクリックしてタブ文字を入れます。
右揃えタブになっていることを確認します。
行の最後の方に右揃えタブを入れます。
文章の長さが変わっても「別紙参照」の位置は変わりません。
8.同じ行で左揃えと右揃えを混在させる
問題
次の図のように、Aを行の左端に、Bを同じ行の右端に配置しなさい。
解説
同じ行に左揃えと右揃えが混在する場合はたいてい右揃えタブを使うパターンです。ここで、発行者・発行年月日だけ右揃えにするということは、右インデントと同じ位置に右揃えタブを設定するということです。右揃えタブになっていることを確認します。
しかし、クリックしてもタブのマークはつきません。原則としてインデントマーカと同じ位置にタブを設定することはできません。
そこで、タブをインデントマーカと同じ位置に設定するときは、そこから少し外して設定をします。その後で右にドラッグすればよいです。
これで、左揃えと右揃えが同時にできます。
最後に、通常のタブを入れようとして間違えて右揃えタブを入れてしまうミスを防ぐため、右揃えタブを使った後は、通常の左揃えのタブに戻しておいたほうが良いでしょう。
9.タブリーダー(点線)
タブとリーダーの機能については別の記事で解説しています。
解説は以上です。
10.動画版はこちら(無料)
この記事は、わえなび実力養成講座「ファンダメンタルWord4」Program 4-7、4-8、4-9 のYoutube動画を書き起こして、加筆修正したものです。