Wordには「インデント」という極めて重要な機能があります。インデントを知らずしてWordを語ることはできません。
インデント(indent)とは字下げをすることですが、もともとは「のこぎりの歯のようにギザギザにする」という意味です。文章の左端や右端をまっすぐにしないということです。Wordの文章は、左右の端がきれいに揃っていることによって文書全体の統一感を生み出しています。その左右の端の位置を変えることによって何らかの意味を持たせる操作が「インデント」です。左右の端を動かすということは何らかの「効果」を狙っているのです。
そこで、今回は、インデントを使った事例とインデントを効果的に使う方法に関する練習問題を出題します。
目次
問題文のあとに簡単な操作方法を解説していますが、静止画では、わかりにくいと思いますので、最後に動画を載せています。ぜひご覧ください。
0.ルーラとインデントについて(復習)
ルーラは必ず表示させます。ルーラを表示させずにWordを使うとか絶対にありえません。また、インデントマーカーの扱いについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
1.強調のインデント
問題
次のAの部分に、左右インデントの設定をして目立つようにしなさい。
解説
本文を右にへこますことによって、左に突き出ている部分が目立ちます。このように左右に文を動かすことでアクセントをつける、これがインデントです。逆に、一部分の上下左右に余白を作ることによって、目立たせるという技もあります。この場合はへこませた部分が目立ちます。それでは実際にやってみましょう。
目立つようにするには、左右に何文字か狭くします。
左インデント、右インデント、ともに内側に動かします。さらに、上下に改行を追加することで、何か特別な意味があるのかと思わせるレイアウトになります。
2.差出人の左揃え
問題
次の図で、インデントを設定すべきかどうかを検討しなさい。
解説
宛名は左揃え、タイトルは中央揃えですから、差出人の部分にインデントを設定すべきか検討します。インデントを設定すべきかどうかは、その内容、長さ、変更の可能性や頻度などを総合的に判断しなければなりません。
ビジネス文書では差出人を右側に記述することが多いです。差出人は、通常、右揃えをしてから位置合わせをします。しかし、この事例の場合、所在地と会社名だけで、これがめったに変わることはありません。当分の間、左半分を使うことがないことは、ほぼ確実といえます。したがって、インデントで固定するのが妥当といえます。
それでは実際にやってみましょう。差出人を選択します。
右半分しか使わず、めったに変わることがないので、左インデントで幅を絞ります。
3.枠空け
問題
次の図で、Bの部分の右側にイラストを入れるためのスペースを確保しなさい。
解説
文の右側にイラストを入れようとしています。イラストを入れることだけは決まっていますが、どんなイラストを入れるかはまだ決まっていない場合、イラストを入れることを想定して余白をあけます。
これを「枠空け(わくあけ)」といいます。この場合、右インデントを動かして、強制的に余白を作ります。
それでは実際にやってみましょう。段落を選択します。
イラストの大きさを考えながら、右インデントを動かします。右側に大きな余白ができました。これが枠あけです。
具体的にイラストが決定したら、この場所に貼り付けます。
4.かたよった中央揃え
問題
次の図で、Cの部分を中央揃えにしなさい。ただし、点線で囲まれた部分は対象外とする。
解説
タイトルを中央揃えにしますが、右側に図形を置くため、その残りの部分で中央揃えをしようとしています。この場合、右インデントを動かして範囲を狭めてから中央揃えをします。
それでは実際にやってみましょう。右上に図形があります。この状態で中央揃えをするには、先ほどの枠あけをします。右インデントを動かします。
中央揃えをします。
5.インデントの一括設定
問題
次の図で、「見出し」をインデント左3字、本文をインデント左6字に設定しなさい。
解説
見出しが複数ある場合は、Ctrlキーの複数選択により一括で処理をします。
インデントを3字に設定します。
次に、本文も複数選択します。
インデントを6字に設定します。これで完成ですが、ここで、考えなければいけないことがあります。
通常、見出しよりも本文のほうが行数が多く、左側に大きな余白ができます。用紙がもったいない感じになります。見やすくはなりますが、この手法を使うのは慎重にしたほうが良いでしょう。
解説は以上です。
6.動画版はこちら(無料)
この記事は、わえなび実力養成講座「ファンダメンタルWord」Program 4-6 のYoutube動画を書き起こして、加筆修正したものです。