段落罫線(だんらくけいせん)とは、行単位(正確には段落単位)で設定する線のことです。行の上と下、右端、左端のそれぞれに対して、線の太さ、種類、色を別々に設定することができます。設定の仕方はページ罫線と同じです( )。
本来、段落罫線は文章の固まりを大きく線で囲むために使うものですが、その機能を応用してタイトルや見出しとして装飾したり、文章の区切りとなる線を引いたりするときにも使われます。
そこで、今回は、はじめに段落罫線の使い方を練習し、段落罫線を用いたいろいろな応用技について解説します。
※なお、「表の罫線」についてはこちらの記事をご覧ください。
目次
問題文のあとに簡単な操作方法を解説していますが、静止画では、わかりにくいと思いますので、最後に動画を載せています。ぜひご覧ください。
- 1.準備(サンプルファイルはこちら)
- 2.段落罫線トレーニング
- 3.段落罫線でタイトルや見出しを作る
- 4.複数行を囲む
- 5.段落罫線で区切り線を作る
- 6.段落罫線と段落網掛けの両方を使った事例
- 7.段落罫線の幅を調整する
- 8.下線、囲み線、段落罫線
- 9.フォントと段落書式の違い
- 10.動画版はこちら(無料)
1.準備(サンプルファイルはこちら)
わえなび公式サイト(waenavi.jp)では、この記事で使用しているWordのデータを無料で配布しています。ご自由にお取りください。6-4~6-6の「サンプルファイル(ZIP)」です。
2.段落罫線トレーニング
課題1(実線で囲む)
問題
解説
まずは、1行だけであっても、行選択をします。
線種とページ罫線と網掛けの設定の画面を出します。罫線ボタンの一番下を選ぶ方法と、ページ罫線のボタンを押す方法がありますが、いずれにしても、タブを罫線に切り替えます。
先ほど行選択をしましたので、設定対象が段落になっています。
まず、左上のタブが罫線、右下の設定対象が段落になっていることを確認します。
この画面は3列に分かれています。必ず左から操作をします。
種類は、5つの選択肢の中から選びます。「罫線なし」は罫線をなくすときに使います。
「囲む」は上下左右に同じ線を引きます。それでは実際にやってみましょう。
「囲む」を選びます。右側のプレビューで、実線で囲まれる様子が表示されます。
実線で囲まれます。次にこの線を消します。行選択をします。「線種とページ罫線と網掛けの設定」の画面を出します。
5つの選択肢の中から罫線なしを選びます。右側のプレビューから罫線がなくなります。
罫線が消えました。
課題2(点線で囲む)
問題
解説
今度は点線にしてみます。
つぎに罫線なしにします。罫線が消えます。この操作を何度も繰り返し練習します。
課題3(上下点線、左下実線)
問題
解説
つぎに上下左右の線をそれぞれ個別に設定する方法です。この画面で「指定」を選びます。指定は、上の4つ、罫線なし、囲む、影、3-D以外つまり「その他」という意味です。
まずは、Ctrlキーを用いて2行同時に選択します。
5つの選択肢の中から「指定」を選びます。点線になっていることを確認します。
一番右のプレビュー画面をみます。プレビューにある4つのボタンを押すことによって線をひいたり消したりすることができます。
また、線そのものをクリックすることによっても表示・非表示の切り替えができます。
上下だけ線を引きます。
上下だけになりました。
Ctrlキーを用いて2行同時に選択します。
5つの選択肢の中から指定が選ばれていることを確認します。線の種類を実線にします。プレビュー画面で、何回かクリックすることによって左と下の線だけ表示します。このとき、いったん「罫線なし」でリセットしてから、線を引き直した方が早いと思います。
上下の線が消えて、左と下だけになりました。最後に罫線を消します。
罫線なしを選びます。この操作が早くできるようになるまで、何度も繰り返し練習します。
3.段落罫線でタイトルや見出しを作る
段落罫線は、罫線を引く前に落ち着いて考えたうえで操作しましょう。罫線を引くためにまず、どの行を選択すればよいか、その行の上下左右に線があるか、ないか、線があるとすればどのような線を引くか、ある程度、イメージができてから操作します。実際にやってみましょう。
(1)中央揃えや右揃えと組み合わせたタイトル
問題
段落罫線を用いて次のような線を引きなさい。
解説
タイトルの後には当然、本文を入力しますから、そのために、あらかじめ左下に空行を置いておきます。
右揃えの部分を選択します。
指定で細い実線にして、下だけ線を引きます。
中央揃えの部分を選択します。
指定で線の種類を変えて、下だけ線を引きます。
(2)文章の左側に罫線を引く
問題
段落罫線を用いて次のような線を引きなさい。
解説
文章の左側の段落罫線は、訂正した時などに使います。行選択をします。
線種とページ罫線と網掛けの設定の画面を出します。指定にして、左の線をクリックするかボタンを押します。
これで完成です。
(3)付箋のように左だけ太くした例
問題
段落罫線を用いて次のような線を引きなさい。
解説
行選択をします。
「線種とページ罫線と網掛けの設定」の画面を出します。4本中3本が細い実線なので、まず「囲む」を選びます。プレビューには4本とも細い線で表示されます。
次に「指定」に切り替えます。太さを変えます。かなり太くします。左の線をクリックするかボタンを押します。
これで完成です。
4.複数行を囲む
問題
次の文章を二重線で囲みなさい。
解説
複数行を囲みます。
囲むを選んで、二重線にします。
注意事項やとくに重要な記述を囲んで目立たせます。
5.段落罫線で区切り線を作る
問題
次の図のように、点線を引く方法を考えなさい。
解説
行間に一本、水平線を引くときには、2つの考え方があります。まず上の行で考えると、その行の下に線を引くことになります。
下の行で考えると、その行の上に線を引くことになります。
考え方は異なりますが、同じ結果になります。それでは実際にやってみましょう。
まず、上の行を選択します。
指定、点線で、下のボタンを押して下に線を引きます。
最初に上の行を選択すると、その下に線を引くことになります。
いったん線を消します。
次に、下の行を選択します。
今度は上に線を引きます。
結果は同じですが、初めに選択する行によって、やり方が変わってきます。
6.段落罫線と段落網掛けの両方を使った事例
問題
次の図のように入力しなさい。
解説
外側に線を引き、内側を塗りつぶすこともできます。どちらを先にやっても構いません。それでは実際にやってみましょう。行選択をします。
次に「線種とページ罫線と網掛けの設定」の画面を出します。二重線には太さが同じものと異なるものがあります。太さの異なる二重線の場合は、いったん「囲む」にします。
その後、指定にして、左右の二重線を消します。
網掛けで、背景色を緑色にします。
最後にフォントの色を白色にします。
このように、1つの画面で、段落罫線と段落網掛けの両方の設定ができます。
7.段落罫線の幅を調整する
(1)段落書式とインデントの関係
問題
A行の下に点線を引き、その点線を左右2字程度短くしなさい。
解説
A行の下に点線を引くにはまず、A行を行選択します。
次に、線種とページ罫線と網掛けの設定の画面を出します。指定、点線で下に線を引きます。
この点線を短くします。点線を短くするにはインデントを使います(参考:【Word】インデントとは何か?具体的な事例でインデントの「効果」を学ぼう)。
左インデントを2字、右インデントも2字に設定します。先ほどより少し短くなりました。
中央揃え、右揃え、段落網掛け、段落罫線は、すべて段落書式です。
段落書式は、行を単位として設定されます。インデントを動かしていなければ、行の幅いっぱいに適用されます。
しかし、インデントを動かしたときは、左インデントから右インデントまでが対象となります。このように、段落罫線の幅は、インデントの幅と連動します。
(2)Altキーを使った微調整
問題
Bの部分の右と下にグレーの太い実線を引きなさい。
また、A行の点線とB行の下の線が同じ長さになるようにしなさい。
解説
今度は複数行を囲む場合ですが、考え方は同じです。まず、Bの部分を範囲選択します。
次に、線種とページ罫線と網掛けの設定の画面を出します。指定、実線、太さを変えて、色を薄いグレーにします。そして、右と下に線を引きます。
線の長さを変えるにはインデントを使います。Aと同じ、左インデントを2字、右インデントも2字に設定します。
先ほどより少し狭くなりました。さらに、Altキーを押しながらインデントを動かすことによって、横幅を微調整することができます。
8.下線、囲み線、段落罫線
問題
次の図で、Aの部分に下線、Bの部分に囲み線を設定しなさい。また、C,Dの行については段落罫線を用いて、C行は実線で下に線を引き、D行は実線で囲みなさい。
解説
Aは範囲選択して下線(ホームタブ)を引きます。
Bも範囲選択して囲み線(ホームタブ)を設定します。
Cは行選択して、段落罫線の画面を出して、指定で、下だけ実線を引きます。
最後にDを範囲選択して、同じように段落罫線の画面を出して、囲みます。
9.フォントと段落書式の違い
問題
下線、囲み線、段落罫線の違いについて説明しなさい。
解説
下線と囲み線は、一文字ずつ設定するかしないかを選べる書式です。
複数行に設定すると、それぞれの文字に対して設定されるため、線が多くなりすぎて見やすいのか見にくいのかよく分からない状態になります。
これに対して、段落罫線は、文字があるかないかにかかわらず、縦の線はインデントに合わせて、横の線は行間に設定されます。
文字に合わせて線を引くことは不可能です。一部の文字だけに線を引くといった、線の引き方はできません。
拡大してみます。下線や囲み線は文字にくっついています。
線が多すぎると、強調したいはずなのに逆に見にくくなります。あまり多用しないほうが良いでしょう。
段落罫線は行間に設定されるので、文字から少し離れたところに線が引かれます。
解説は以上です。
10.動画版はこちら(無料)
この記事は、わえなび実力養成講座「ファンダメンタルWord6」Program 6-4~6-6 の3本のYoutube動画を書き起こして、加筆修正したものです。
ちなみに、ページ罫線、段落罫線、段落網掛け関連の動画は全部で6本あります。すべて無料公開しています。ぜひご覧ください。
- ファンダメンタルWord 6 ページ罫線、段落罫線、段落網掛け 全6回【わえなび】 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PLRaY8kd5CoxNi3vfB-0t8fsH26Q6t-plN