Excelで得点の換算をするのは簡単です。
例えば、120点満点を100点満点に換算するのであれば「得点*100/120」として点数を減らします。逆に、100点満点を120点満点にするときは「得点*120/100」として点数を増やします。換算する時の比率(換算倍率)は基本的に換算後を換算前で割る「After/Before」で求めます。換算倍率が1未満であれば点数は減り、1以上であれば点数は増えます。
このことは、得点を得点に換算する場合だけでなく、異なる単位同士で換算する場合も同じです。例えば、1ヘクタール=約3025坪、1ヤード(yds)=約91.4cmのように換算の倍率が決まっている場合は、どちらをどちらに換算するのか(換算する方向)を考えて換算倍率「After/Before」を計算します。また、全く種類が異なる単位でも、換算の基準が決まっていれば換算することができます。
今回は、比例計算と単位の換算について出題します。
目次
1.長さと重さ
問題
4.5mのロープの重さが5.4kgだった場合、mとkgが換算できるように、セルD4とセルB6に計算式を入れなさい。
解説
長さと重さのように、異なる種類の単位の場合、換算の基準(今回の場合は4.5m=5.4kg)があり、それにしたがって換算しなければなりません。単位の換算をするときに、その比率を求めるときには換算後を換算前で割ります(参考:割合の計算が分からない原因は、かけ算による変化を理解していないこと)。
例えば、mからkgを求めるときには、kgをmで割ります。1.2倍となります。逆に、kgからmを求めようとするときには、mをkgで割ります。約0.83倍となります。このような比率を比例定数(換算倍率)といいます。
セルD4は、mをkgに変換しようとしています。このときkgをmで割り、比率を求めます。
これに換算する前のセルB4をかけます。これで完成です。
逆にセルB6は、kgをmに直そうとしています。このときmをkgで割り、比率を求めます。
これに換算する前のセルD6をかけます。
これで完成です。セルB4、セルD6に換算前の数量を入力することによって換算後の値を求めることができます。
ここで、単位を円とドルに直します。ここでは1ドルを108.5円とします。単位を変えても、使用する計算式は同じです。
したがって、計算式を直さなくても換算できます。
2.長さと時間
問題
42.195kmを一定の速さで4時間で走るとき、5kmごとの経過時間(分)を求めなさい。
解説
42.195kmが240分であることがあらかじめ分かっていて、kmを分に直そうとしています。換算後を換算前で割る鉄則に従えば、分をkmで割ることになります。
240分を42.195kmで割ります。
この比率に距離をかけます。オートフィルをしますから、240分と42.195kmは絶対参照です(参考:【Excel】絶対参照は表の形とコピーの有無で判断できるように練習せよ)。
オートフィルをします。これで完成です。
3.日数と金額
問題
次の図のように、3日間の売上が分かっている場合、このペースで販売を続けたときの、5月末時点での売り上げを予測しなさい。
※5月3日の累計売上をもとに31日間の売り上げを求めること
解説
比例計算によって予測をするには条件があります。まず、計算の基準となる2つの数があることです。今回の問題は、3日間の売り上げをもとに、月末の売り上げを予測するので、日数と売上金額です。次に、2つの数のうち1つが増えると、もう一方が一定の割合で増え続けるか、減り続けるものです。
日数が増えたときに、増え続けるのは売り上げの合計です。3日で10万円だった場合に31日後に何万円になるかを計算します。3日で10万円ならば、30日で100万を超えることは容易に予想できます。
最後に鉄則に従って計算します。日数を円に換算するときには、円を日数で割ります。
10万円を3日で割ります。
この比率に31日をかけます。このとき31は絶対参照です。
これで完成です。
これで4日目の売り上げが分かった時点でオートフィルをすれば、売り上げ予測ができます。予測の計算の仕方はいろいろありますが、このように最終的な売り上げを予想することを、着地予測といいます。
4.単位量あたりの金額
問題
(1)100g260円の肉235g
(2)5cm単位、410円で切り売りしているテープ75cm分
(3)18,500円の健康器具
の合計金額を求めるための表を作成しなさい。また、「2.」を「3足980円の靴下24足分」に変更しなさい。
解説
例えば、100g260円の肉を235g買った場合、基準となる2つの数は100gと260円で、235gはそれよりも多いので、値段もそれに伴って高くなることが予想されます。
Excelには4つの欄が必要です。4つの欄のうち3つが埋まった場合、残りの1つは鉄則に従って比例計算できます。
例えば、この表のように基準となる単位量と、実際に購入した量を分けて入力します。そして横向きに見ると4つの欄があり、最後の1つは計算で求めます。
gを円に直すときは、円をgで割ります。
この比率に235gをかけることによって求めることができます。
3つをたして合計金額を求めます。これで完成です。
このように計算式を準備しておけば、例えば、3足980円の靴下24足分に変更しても正しく計算できます。
5.総合問題演習
問題
7月1日に貯金を始めたところ、1か月で17,530円になった。
(1)このままのペースで貯金を続けた場合の、年末の貯金額を予測しなさい。
(2)250万円の車を買えるのは何年後か、うるう年を考慮して計算しなさい。
解説
7月1日から貯金を始めると年末でちょうど半年となりますから、17,530円の6倍のお金がたまることは容易に予測できます。
7月の1か月間で貯金額が17,530円であることを入力します。8月の金額を計算します。円を月で割ります。
これは絶対参照です。この比率に月をかけます。
オートフィルをします。これで完成です。
これを続けて1年後、つまり12か月を計算します。1年間で約21万円となります。
250万円貯まるには割り算をすると12年で貯金が終わる計算になります。
しかし、7月は31日まであるのに対して、9月や11月は1日足りません。この月は、7月よりも貯金ができないことが予想されます。
そこで、日数を使って比例計算します。足し算をして6か月後の日数を計算します。184日です。
8月の金額を計算します。31日で17,530円だったとして、62日でどれだけたまるかを計算します。円を日数で割ります。
これに62日をかけます。
1年後は365日ですからこのまま計算できます。
250万円を20万円で割ります。12年以上かかることが分かります。
12年の間にはうるう年が3回あります。2月29日の分をカウントすると、4年間で1461日になります。
250万円を82万で割って、4倍します。さきほどの計算より、すこし少なくなりますが、12年を超えることに変わりはありません。
6.点数の換算と得点調整
解説は以上です。
7.動画版はこちら(無料)
この記事は、わえなびExcel新演習1割合の重要事例 Program1-12、1-13 の2本のYoutube動画の内容を書き起こし、加筆修正したものです。
動画版(完全版)は、Youtubeにすべて無料で公開しております。ぜひ、ご覧ください。
- Excel新演習1数式・割合の重要事例(全13回)【わえなび】 - YouTube
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