オートSUMボタンを使って最大値(MAX関数)・最小値(MIN関数)を求める方法を説明するのは簡単ですが、MAX・MINの練習問題はネットでもなかなか見つからないと思います。
実生活において最大や最小を求めることはあまり無いので、単に最大を求めるだけ・最小を求めるだけの練習問題では面白くないと思います。
そこで、今回は最大最小を使った応用問題を中心に出題します。

目次
問題文のあとに簡単な操作方法を解説していますが、静止画では、わかりにくいと思いますので、最後に動画を載せています。ぜひご覧ください。
- 0.準備(サンプルファイルはこちら)
- 1.MAXとMIN(最大・最小)の復習
- 2.範囲の修正
- 3.関数名の変更
- 4.MAXが最高、MINが最低とは限らない
- 5.誤差の最大値
- 6.最大値と最小値の差
- 7.最大値と最小値をカットした合計
- 8.最高得点を2倍にする
- 9.総合問題
- 10.上限と下限
- 11.動画版はこちら(無料)
0.準備(サンプルファイルはこちら)
わえなび公式サイト(waenavi.jp)では、この記事で使用しているExcelのデータを無料で配布しています。ご自由にお取りください。6-5、6-6の「サンプルファイル(ZIP)」です。
1.MAXとMIN(最大・最小)の復習
問題
次の図で最大値を求めなさい。

解説
最大値を求めます。オートSUMボタンの右側にある三角のボタンを押します。

最大値を選びます。

SUMではなくMAXになります。点線の枠が表示されますが、これは正しいのでそのまま確定します。

これで完成です。

オートSUMボタンの右側には三角マークがあります。ここには、合計のほか、最大値と最小値があります。最大値はMAX、最小値はMINです。

2.範囲の修正
問題
次の図で、第1回から第4回までの合計点、最高点、最低点を求めなさい。

解説
オートSUMボタンを押します。これで合計が出ます。

つぎに、最高点を求めます。最高点は、第1回から第4回までの得点の最大値です。オートSUMボタンの右側にある三角のボタンを押します。最大値を選びます。点線の枠が違います。

合計と同じように、自動で表示される点線が違っている場合は無視します。範囲選択します(点線に触れないように注意しながらドラッグする)。確定します。

オートSUMボタンで最小値を選びます。点線の枠が違います。

範囲選択します。確定します。

オートフィルをします。これで完成です。

3.関数名の変更
問題
ここに、ランダムに並んでいる50個の小数がある。
(1)50個の合計を求めようとしたところ、誤って最大値を求めてしまった。合計に直しなさい。

(2)50個の合計、最大、最小を求めなさい。

解説
範囲は正しいのに、使う関数を間違えた場合、半角で関数名を直接直したほうが早いです。

MAXを「sum」に変えます。これで合計になります。

半角で関数名を直接入力します。このとき、小文字でも大文字でも構いません。

50個の合計を求めます。オートSUMボタンを押します。50個選択します。

次にオートSUMボタンで最大値を選びます。50個選択します。

次にオートSUMボタンで最小値を選びます。50個選択します。

別解
ところで、同じ範囲を3回選択するのは面倒です。そこで、合計を求めたときに、範囲を絶対参照にします。

オートフィルをします。3つとも合計になります。

この関数名を変えれば終わりです。「max」にします。

「min」にします。

これで完成です。

4.MAXが最高、MINが最低とは限らない
問題
次の表は50m走を5回走った時の記録である。このなかで、最高記録と最低記録を求めなさい。

解説
ところで、50m走の記録はタイムが少ないほうが良いので、この5回の中での最高記録は6.4秒です。最高記録は最小値になります。5つ選んで確定です。

最低記録は一番遅い記録です。したがって、最大値を選びます。5つを選んで確定です。

7.6秒です。

テストの点数や売上金額など、多いほうがいいものは最大値が最高記録です。しかし、時間を競う競技の場合、時間が少ないほうが良いので、最小値が最高記録です。このように、状況によっては最大値が最も良いとは限らないケースがあります。

例えば、ゴルフのスコアのように少ない打数のほうが良い場合も、ベストスコアは最小値です。

5.誤差の最大値
問題
5cmのテープを大量に作った。そのうち30本を抽出して計測したら、次の表のようになった。最大の誤差は何cmか。

解説
30個の中で最大値は5.09です。

最小値は4.90です。

この数式の最後に「-5」を付けます。これで5cmとの誤差が出ます。

0.09センチ長いテープより、0.10センチ短いテープのほうが、誤差は大きいです。

したがって、最大の誤差は0.10センチです。

6.最大値と最小値の差
問題
5人の審査員が100点満点で採点した。最高点と最低点の差を求めなさい。

解説
まずは、オーソドックスな方法です。最大値を求めます。

最小値を求めます。

最大値から最小値を引きます。

別解
最高点と最低点の差を求めます。オートSUMの中から最大値を選びます。

この状態で、かっこの部分をコピーします。

この式の最後にカーソルを置きます。半角で「-min」と入力します。

さらに、貼り付けをします。これで、同じ範囲で、最大値から最小値を引く計算になります。

確定します。

最大値から最小値を引くとき、範囲は同じなのでコピーを使うと便利です。このように、関数同士の足し算・引き算もできます。

7.最大値と最小値をカットした合計
問題
5人の審査員が100点満点で採点した。最高点と最低点を除いた3人の合計と平均を求めなさい。

解説
5人の合計から最大値と最小値をカットした、3人の合計を求めます。

オートSUMのボタンを押します。

この式のかっこの部分をコピーします。

この式の最後に「-max」と入力します。貼り付けをします。

さらに「-min」と入力します。貼り付けをします。合計から最大と最小を引いています。

確定します。

合計から最大と最小を引くと、最大、最小をカットした合計になります。

合計を3でわれば、3人の平均になります。

8.最高得点を2倍にする
問題
5人の審査員が100点満点で採点した。5人の合計を求めなさい。ただし、最高点については得点を2倍にする。

解説
最高点を2倍にした5人の合計を求めます。現在の最高点は95点です。これを2倍にして、190点として5人の合計を出します。

オートSUMのボタンを押します。

この式のかっこの部分をコピーします。

この式の最後に「+max」と入力します。貼り付けをします。

これで確定をします。

最高点を2倍にするということは、最高点を2回足すということです。つまり、5人の合計に、さらに最高点を足せばよいです。

9.総合問題
問題
グループAの5人の選手が演技を行い、6人の審査員が採点をした。6人の審査員のうち最高点と最低点をカットした4人の合計を選手個人の得点とし、得点の高い4人の選手の合計点をグループの得点とする場合、グループAの得点は何点か。

解説
1人目の選手について、審査員6人の合計を求めます。

次に最高点と最低点を引きます。かっこの部分をコピーします。

この式の最後に「-max」と入力します。貼り付けをします。

さらに「-min」と入力します。貼り付けをします。

これで確定をします。374点です。オートフィルをします。各選手の得点が出ます。

グループで得点の高い4人の合計を求めます。5人の合計から最低得点を引けばよいです。オートSUMのボタンを押します。かっこの部分をコピーします。

この式の最後に「-min」と入力します。貼り付けをします。

これで確定をします。合計は1531点となります。

10.上限と下限
上限と下限の設定はMAXとMIN関数を使います。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
解説は以上です。
11.動画版はこちら(無料)
この記事は、わえなび実力養成講座「ファンダメンタルExcel6」Program 6-5、6-6 の2本のYoutube動画を書き起こしたものです。
ちなみに、オートSUM関連の動画は全12回のシリーズです。すべて無料公開しています。ぜひご覧ください。
ファンダメンタルExcel 6 オートSUM(全12回)【わえなび】 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PLRaY8kd5CoxMwUSAR-iY74jGRwV3M55s_


