WordやExcelの資格を取ったら有利か不利かを議論するのは無駄なことです。パソコンの資格すら取れないような人に、事務や営業の仕事ができるのでしょうか??
残念ながら、就活で「パソコンの資格を取ったらアピールできる」という「平成」の時代は、もう終わりました。有利だから資格を取るとか甘い考えを持ってる時点で、就職は不可能です。特に、事務職を志望する人で「パソコンが必要か?」などと寝ぼけたことを言う人がいるようですが、その質問をすること自体ナンセンスです。
パソコンの資格は単なる通過点に過ぎないのです!!
令和の時代は、パソコンができるのは当たり前であって、どのように活用できるのかが問われる時代なのです。
そこで、あらためて問題です。
問題
就職活動をする学生や転職しようとしている社会人はパソコンについて、何をアピールするべきか3000字程度で論じなさい。ただし、システム管理者や開発者など高度な知識を必要とする職種を除く。
目次
- 1.事務職の仕事は何だと思っているのか?
- 2.パソコンは全員必修科目です
- 3.先生もパソコンを使っている
- 4.使えない理由が説明できるのか?
- 5.パソコンの資格は就職に有利ではない
- 6.早めに資格を取っておけば無駄な議論をしなくて済む
1.事務職の仕事は何だと思っているのか?
(1)パソコンが使えない事務職を雇う意味がない
残念なことに、大学生や専門学校生のなかには、事務職を志望しているにもかかわらず、パソコンの練習をおろそかにしている人がいるようです。若気の至りかもしれません。
さらに、転職で事務職を志望する社会人が「パソコンは必要か?」などと言う人もいて、何と答えたらよいのか呆れてしまいます。邪魔なので、とっとと事務職をあきらめてください。よく考えてみてください。
- 年末年始や大型連休の前に、玄関に掲示する休業案内はパソコンで作らなかったら、何で作るのか?
- パソコンでトラブルを起こして、職場の人たちの足を引っ張るだけの事務職なんか、誰が雇いたいのか?
今は、会社のセキュリティや情報管理が問われているのに、「情報処理のことはよく分かりません」とか言える時代ではありません。事務職は会社の窓口であって、パソコンができなかったら、情報管理がちゃんとできる会社なのか疑われても仕方がありません。
(2)事務職=パソコンで業務改善をする仕事
事務職に就職したいのであればパソコンを覚えるだけではダメです。内線で話しながら、キーボードを打ちつつ書類も見るくらいの余裕が必要です。
EUC(エンド・ユーザ・コンピューティング)という言葉があります。今ではあまり使わなくなった古い言葉ですが・・・システム部門の人ではなく、事務や営業職のような現場の従業員(エンドユーザ)が自らすすんでパソコンを使って業務改善をするという意味です。
事務職の仕事はまさにEUCです。
書類はWordで、分析はExcelで、商品紹介はPowerPointで・・・というのは当たり前のことです。さらに、販売管理システムや人事会計システムのような業務上のシステム(これを「基幹システム」という)も扱い、どちらかと言えば、率先してパソコンを指導しなければなりません。事務職として就職したら、同僚にパソコンを教える立場になるのです。WordやExcelすら、ろくに使えない人間が事務職に就職して何の役に立つのかを考えるべきです。
2.パソコンは全員必修科目です
(1)パソコンができないほうがおかしい
いま、全国の小・中・高校ではプロジェクターで投影する電子黒板や実物投影機が順次導入されています。電子ペンで文字を書き、大型テレビで教科書を映しながら授業をし、小学生がプログラミングを学ぶ時代です。パソコンができる、できないといった低レベルな議論する時代ではないのです。
さらに、日本国内にあるすべての大学において、Word、Excel、PowerPoint、図書館検索、情報リテラシといったパソコンの授業が行われています。もちろん遊び目的ではなく、ゼミのレポートを書いたり、研究や就職活動に必要な知識を身につけます。今や、パソコンができない学生は1人もいません。
(2)運転免許より楽
機械が苦手などと言い訳をする社会人の初心者には「手足を使う自動車の運転より、手しか使わないパソコンのほうが楽だ」と説明することがあります。学生が、機械オンチか否かにかかわらず全員パソコンを習得するのですから、「機械が苦手」という言い訳は全く通用しません。
3.先生もパソコンを使っている
もちろん、大学生を教える大学の先生もプライドがあるので、学生に負けないように、そして学生にバレないように密かにパソコンの練習をしています。
大学の先生と言えばおおむね40代以上であり、機械が苦手な先生も多いです。にもかかわらず、今ではほとんどの先生が、パソコンで講義をし、パソコンで論文を書き、パソコンで文部科学省とやり取りをします。学会発表の時にスクリーンに映し出すPowerPointのスライドも、発表する先生自身が作っているのです。
4.使えない理由が説明できるのか?
パソコンを使う職種もあれば、パソコンを使わない職種もありますから、すべての職種においてパソコンが使えたほうが良いというわけではありません。パソコンができない人は、パソコンを使う仕事に就けないだけです。要するに選択肢が大幅に減るだけです。
しかし、パソコンを習得する努力をしないような怠けた人間が、「何事も一生懸命がんばって働きます!」などとアピールしても、誰も信用しないと思います。パソコンができない人は、パソコンができない理由を面接で聞かれます。「なぜ、頑張らなかったのか?」と聞かれて何と答えますか?
5.パソコンの資格は就職に有利ではない
(1)学生の場合
パソコンの資格を取って有利になるかというと、結論を言えば、まったく有利ではありません。なぜなら、多くの人が取得するからです。
履歴書やエントリーシートには「免許・資格欄」があります。ここに運転免許以外に記入できる資格が無かったら「あなたは学生時代に何をやっていたのか?」と聞かれるだけです。資格を取らないのであれば、資格を取らなかった理由を考えておいたほうが良いです(経済的に受験料が払えなかったとか・・・)。
逆に、資格を取りたいのであれば、早めに取ってしまったほうが良いです。そして、プライベートやサークル活動などでも構わないので、学生の間にパソコンでできるだけ多くの文書を作るべきです。資格をアピールするのではなく、どのようにWordやExcelの機能を使い、学生生活でどのように役に立ったか、どのように仕事につながるかをアピールすることのほうが大事です。
(2)社会人の転職の場合
事務職志望者の職務経歴書には「PCスキル」を書きますが、単にWord、Excelといったソフトの名前を書くのではなく、どのように使えるかを具体的に書きます。いままでWordやExcelの機能を使って、どのような仕事をし、業務改善ができたかをアピールします。
(3)プラスアルファが必要です
事務職に就職したいときに最低限必要なことは、次の3つだと言われています。
- コミュニケーション能力
- パソコン
- プラスアルファのスキル
このなかで、3番目のプラスアルファのスキルがポイントです。新卒の就職も転職も事務職志望の人は多いですが、それに対して求人は多くありません。その中で内定を取るためには、パソコンができるのは当たり前で、それ以上にアピールできることが必要です。
- 簿記、FP、医療事務、ビジネス法務、秘書などの資格を持っている
- IllusutratorやPhotoshopなどクリエイティブなことができる
- アナウンサーの研修、TOEIC900点などの特殊なスキルを持っている
6.早めに資格を取っておけば無駄な議論をしなくて済む
就活でパソコンの資格を取るべきかといった話は本当にくだらない議論です。学生で、パソコンの資格を取っていない人は早めに取得して、学生のうちに多くの「経験」を積むべきです(パソコンの経験のことですよ)。
40代以上の人は、学校で情報処理を習っていない(学校にパソコンがなかった)のですから、パソコンができなくて当然かもしれませんが、できないまま平気な顔でいられるのは今のうちです。前述のように、若い学生たちが全員、パソコンを習得しているのです。年長者が、若者の足を引っ張るのは許されないことです。
しかし、何も練習せずに、いきなりパソコンの資格は取れないので基本書を買って少しずつ習得する努力をしたほうが良いです。
解説は以上です。