Excelのピボットテーブルとは、リスト形式の表を元にして、分類ごとに集約したり集計したりする機能です(参考:
)。ピボットテーブルの機能を用いて集計した後で、このピボットテーブルの計算結果を数式の中で使いたい場合があります。ピボットテーブルのセルを数式で利用する場合の問題が2つあります。
- この使い方は正しいのか?
- リスクを承知した上でどうしても数式を使いたい場合はどうすればよいか?
そこで、今回はピボットテーブルの中のセルを数式で使うときの注意点について出題します。
目次
1.ピボットテーブルを編集してはいけない
問題
このリストからピボットテーブルを作って、受験者別の平均点を求めました。
この平均点に10点を加算するため数式を入力すると、長い計算式が表示されますが、正しく10点加算されます。
しかし、オートフィルをすると同じ値が表示されてしまいます。この現象について以下の各設問に答えなさい。
ピボットテーブルのセルの色を変えたり、外側に文字を入力してもよいか述べなさい。
解説
ピボットテーブルは元の表と連動するものであり、集計方法を変えることによって、形が大きく変わります。
原則として、元のデータを変更することは許されますが、それと連動してできるピボットテーブルのデータを書き換えることは許されません。
文字の色を変えたり、塗りつぶしをしたりすることも許されません。
ピボットテーブルは計算するだけであって、見た目をよくしようと思ってはいけません。
また、ピボットテーブルの大きさも大きく変わりますから、外側であってもできるだけ文字入力や数式の入力は控えるべきです。
2.ピボットテーブルの再利用
問題
さきほどのピボットテーブルで、ピボットテーブルのデータを再利用をするにはどうすればよいか述べなさい。
解説
ピボットテーブルで求められたデータから資料を作ることを「再利用」といいます。
ピボットテーブルを再利用するには、コピーをして、別のシートに値の貼り付けをして利用します。
これによって元の表との連動を切り、独立して資料を作ることができます。
3.GETPIVOTDATA関数の生成
問題
さきほどのピボットテーブルで、ピボットテーブルのセルをやむを得ず使いたい場合はどうすればよいか述べなさい。
解説
資料を作ることなく、ピボットテーブルの外側のセルで、一時的に計算をしたい場合があります。
例えば、B列の数値に10点を加算します。このとき、GETPIVOTDATA(ゲットピボットデータ)と表示されます。
かっこの中は絶対参照になっているか、または文字列だけであり、相対参照はありません。
相対参照が無いので、オートフィルをしてもデータが変わることはありません。
このGETPIVOTDATAは、おもに、ピボットテーブルの中で1か所のデータを取り出すときに使います。
相対参照が無いので、原則としてオートフィルをしてはいけません。
キーボードで直接計算式を入力します。
これは相対参照なので、オートフィルをすると正しく計算できます。
別解
ピボットテーブルツール、分析のピボットテーブルオプションの中の、「GETPIVOTDATAの生成」にチェックが入っています。
このチェックがあると、クリックしたときにGETPIVOTDATAが表示されます。チェックを外します。
これで、クリックすると相対参照の式になります。
解説は以上です。
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この記事は、わえなびファンダメンタルExcel Program7-25-3 の動画の内容を書き起こし、加筆修正したものです。
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ファンダメンタルExcel 7 データベース(全28回)【わえなび】 - YouTube
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