キーボードで入力するためにはローマ字入力を覚えなければなりません。パソコン教室では、ローマ字入力一覧表とキーボードの配列図を表示して、単語の入力を練習します。
しかし、一番大事なことは単語が入力できることではなくて、キーボード入力とローマ字入力の仕組みなのです。
- キーボードのキーを押したらなぜ画面上に文字が表示されるのか
- ローマ字で入力する理由
- ローマ字を練習するときの順序
- 小さい「ゃゅょっぁぃぅぇぉ」をどう覚えたらよいか
そこで、前回マウスの使い方を練習したことを前提として、ひらがなの入力練習ができるようになるまでの流れを解説します。
問題
パソコンの超初心者に、キーボード入力の仕組み、ローマ字入力の仕組みとその練習方法、注意点などについて詳しく説明せよ。ただし、クリック、ダブルクリック、ドラッグは習得できているものとし、教材として、FOM出版「よくわかる初心者のためのパソコン入門Windows10対応」を使用するものとする。
目次
今回も前回と同様、実況中継風に説明します。
- 1.前回の復習とワードパッドの起動
- 2.キーボードの基礎知識
- 3.カーソルは何のためにあるのか
- 4.ひらがな50音の入力
- 5.50音の練習
- 6.伸ばす記号(長音)
- 7.小さい字
- 8.総合練習
- 9.ホームポジションの話
- 付録.今回の記事で使用した教材と参考文献
1.前回の復習とワードパッドの起動
【教材39ページ】
はい、皆さんこんにちは。
パソコンの初心者向けの講座ということで、前回の講義でスラスラとキーボードで文字を打って文書が作れるのかと思いきや、電源を入れてマウスをカチカチするだけということで・・・
物足りない感じがするかもしれませんが、慣れない作業を練習すると普段使わない筋肉を使いますから炎症になる恐れがあるのです。
それでは最初に前回の復習をします。パソコンの電源を入れましょう。準備ができましたら、今回は「ワードパッド」を起動してみましょう。ワードパッド??と思ったかもしれませんが、ペイントや電卓と同じWindowsアクセサリの一つです。
画面の左下にあるスタートボタンをクリックします。
スタートメニューが表示されますね。
このパソコンに入っている機能の一覧が表示されますね。ところが、使える機能が多すぎて画面に全部表示しきれません。このように画面に表示しきれないものがある場合には、右側にスライドできるバー、スクロールバーがあります。これを下にドラッグします。
Windowsアクセサリをクリックします。
ワードパッドをクリックします。
2.キーボードの基礎知識
【教材6ページ】
(1)入力と出力
次にキーボードについて説明します。キーボードのキーの一つ一つにはスイッチが付いています。
それが接触するとケーブルや無線を通じて電気信号が本体に伝わります。このように本体に情報を伝えることを「入力」といいます。情報を入れるから「入力」です。
本体にその情報が伝わると、目の前にある画面に文字が表示されますが、これは本体が画面に対して文字を表示しろという指示をしているんですね。このように文字が表示されることを「出力」といいます。情報を画面に出すから「出力」です。
画面に文字が出力されることもあれば、プリンターから紙に印字して出てくることもあります。これも出力です。
したがって、キーボードと本体と画面がつながっていなかったら、入力もできませんし、出力もできないんです。画面に文字が表示されません。
でも、例えば、キーボードを押さなくても右下の時計は動いていますよね。ですから、パソコンはキーボードがつながっていなくても動くんです。ただ、文字が打てないだけです。
(2)キーボードは飲み物に弱い
キーボードのキーには隙間があって、ドリンクがこぼれるとキーボードの下に水や糖分などが染み込みます。携帯電話が水没すると使えなくなるのと同じで、キーボードの下にドリンクが染み込むと使えなくなります。ドリンクをこぼしてしまったときは、急いでキーボードを分解して乾かすのですが、復活するとは限りません。
キーボードの近くに飲み物を絶対に置かないようにしましょう。
カフェでドリンクを飲みながら、ノートパソコンを使っている人がいますが、本当はダメなんですよ。しかし、カフェでノートパソコンを使っている人は慣れてて、こぼさない自信があるんでしょうね。
もし、そのような人に近づいたり、話しかけたりするときには、ドリンクに物が当たってこぼれないように注意しましょう。皆さんは絶対にドリンクをキーボードの近くに置かないようにしましょう。
3.カーソルは何のためにあるのか
【教材57ページ】
画面にはワードパッドが表示されていますが、よく見ると画面の左上に点滅したものがあります。これを「カーソル」といいます。
カーソルは何のためにあるのでしょうか?
さきほど、キーボードは入力するためにあると言いましたが、キーを押すとその電気信号が本体に伝わるところまではいいのですが、その文字を表示するときにどこに表示したらいいのかが分からないですね。画面の上かもしれませんし、画面の下かもしれません。現在位置が分からなかったら文字を表示することができません。
そこで、ワードパッドのように文字を入力するソフトの場合、点滅によって現在位置が分かるようになっています。このカーソルが無かったらキーボードのキーをいくら押しても文字は表示されないんですよ。
4.ひらがな50音の入力
(1)半角/全角キー
【教材37ページ】
点滅があることを確認しましょう。もし、点滅のカーソルが無い時はワードパッドを一回クリックしてみましょう。
さて、キーボードの左上を見てみましょう。「半角/全角」というキーがあります。何回か押してみましょう。画面のどこかが変わるのですが、気が付きましたか?
そうですか・・・画面の右下をよく見てください。そうです。「あ」と「A」が切り替わってますね。詳しくは次回説明しますが、日本語を入力するときには「あ」の状態にします。これを忘れてはいけません。
(2)ローマ字入力をする理由
【教材42ページ】
それではキーボードの左側にある「A」というキーを押してみましょう。このとき、押したらすぐに離しましょう。押し続けてはいけませんよ。
「あ」と表示されました。
今度はキーボードの右端にある「Enter」というキーを押してみましょう。Enter(エンター)というのは「入力する」という意味です。
これで「あ」という文字を入力したことになります。カーソルは「あ」という文字の直後にあります。これが現在位置となります。
ところで、「A/ち」というキーを押したはずなのに画面には「あ」と表示されました。何故でしょう?
パソコンは原則としてローマ字で入力をします。何故、ローマ字で入力するのでしょうか?キーボードにひらがなが書いてあるのですから、このひらがなを押せばいいと思いませんか。
ひらがなは多いんです。アルファベットは26文字しかありません。しかも、ローマ字で使わないアルファベットもあります。QやXを使うことはありません。
そして、日本語をローマ字にするとその半分は母音「AIUEO」です。「あいうえお」の場所を覚えたら日本語を半分打てたようなものです。タイピングを覚えるならローマ字入力のほうが良いのです。
(3)あいうえおの練習
それでは、あいうえおの練習をしてみましょう。「A」と「E」は左側にあります。できれば左手で入力してみましょう。正確に言えば、「あ」は小指、「え」は中指ですが、今は気にせず左手で押すことを覚えましょう。
そして、「U」と「I」と「O」は右側に並んでます。右手の人差し指、中指、薬指で入力しましょう。
まずは、「あ」と入力します。左手です。次に「い」と入力します。右手です。「う」も右手です。「え」は左手です。「お」は右手です。最後にEnterキーを押しますが、これは右手です。
さきほども言いましたが、日本語の半分は「あいうえお」でできています。慣れるまで繰り返して練習しましょう。間違えても文字を消す必要はありませんよ。そのまま続けて入力してください。
(4)バックスペースで消す練習
さて、文字を入力するとカーソルがどんどん進んで現在位置が変わります。文字を確定する場合はEnterキーですが、間違えた場合はEnterキーの上にあるBackSpaseキーを押します。
1回押してみましょう。1文字消えましたね。
もう一度押してみましょう。また1文字消えました。そして、カーソルも左に動きます。
(5)かきくけこの練習
さて、「あいうえお」に慣れてきたら、今度はその間に「K」を入れてみましょう。「K」は右手の「UIO」の下にあります。
「KA・KI・KU・KE・KO」です。Enterキーを押します。これでカ行になります。かきくけこを慣れるまで練習しましょう。
あいうえおの間にアルファベットを挟むことによって50音を入力することができます。今度は「S」を入れてみましょう。「S」は左手の「A」の隣です。
「SA・SI・SU・SE・SO」です。Enterキーを押します。これでサ行になります。
(6)手とキーボードの距離について
ここで、入力するときにキーボードから手を浮かしていけません。指を上に向けると万歳しているみたいでカッコ悪いですよ。キーボードの文字を見るときは手を上によけるのではなく、左右によけましょう。できるだけ手(指)とキーボードの距離を離さないように気を付けましょう。
キーボードのキーの裏側にあるスイッチは、ほんの数ミリしか離れていないんです。それが接触すれば電気信号が送られるので、叩く必要は無いんですよね。指をそんなに動かさなくてもいいですし、力いっぱい押す必要もないんです。
(6)50音の入力
「AIUEO」に、「T」「N」「H」「M」「Y」「R」を挟みながらラ行まで練習してみましょう。
「わ」は「WA」、「を」は「WO」です。「ん」は「NN」です。「N」が1回だと「なにぬねの」の可能性があるので2回です。これで50音の入力ができました。
それでは、「あいうえお」から「わをん」まで入力してみましょう。
(7)改行
Enterキーを押してみましょう。次の行の先頭にカーソルが移動します。これを「改行」といいます。Enterキーは入力を確定する意味と、改行するという意味があります。
(8)濁音、半濁音
「AIUEO」に、「G」「Z」「D」「B」「P」を挟みながら入力しましょう。
5.50音の練習
【教材196ページ】
テキストの最後にローマ字表があります。これを見ながら入力してみましょう。
(1)単語練習
次の単語を練習しましょう。じ=ZI、を=WOであることに注意してください。改行はEnterキーです。
- そんたく
- ひんかく
- ばくがい
- おもてなし
- ばいがえし
- しつらくえん
- いんすたばえ
- はにかみおうじ
- せいけんこうたい
- はまのだいまじん
- どげんかせんといかん
- じぶんでじぶんをほめたい
(2)ふるさと
それでは次の文を入力してみましょう(注:現代仮名遣いです)。づ=DUであることに注意してください。
うさぎおいしかのやま
こぶなつりしかのかわ
ゆめはいまもめぐりて
わすれがたきふるさと
いかにいますちちはは
つつがなしやともがき
あめにかぜにつけても
おもいいづるふるさと
こころざしをはたして
いつのひにかかえらん
やまはあおきふるさと
みずはきよきふるさと
6.伸ばす記号(長音)
【教材43ページ】
伸ばす記号は右上にあります。
「ごーかーと」は「GO-KA-TO」です。
7.小さい字
(1)小さい「やゆよ」
では、小さい「やゆよ」の練習をしてみましょう。「きゃ」は「K」から始まりますが、「I」を入力せずに「YA」と入力します。
同じように「きゅ」「きょ」はKIではなくKYU、KYOです。
つまり「YA」「YU」「YO」の間に、「K」を入れたら良いのです。「しゃしゅしょ」は「YA」「YU」「YO」の間に、「S」を入れます。「ちゃちゅちょ」「にゃにゅにょ」「ひゃひゅひょ」なども同じです。
ここで、「いし(医師)」と入力してみましょう。「ISI」ですね。
今度は、「いしゃ(医者)」と入力してみましょう。「し」ではなくて「しゃ」なので、「SI」と入力する代わりに「SYA」と入力します。「ISYA」です。「I」を入力しない代わりに、「YA」を入力すれば小さい「や」になります。
「しゃちょう(社長)」と入力してみましょう。「しゃ」ですから「S」から始まりますが、小さい「や」なので「I」ではなく「YA」と入力します。
次に「ちょ」ですから「T」から始まりますが、小さい「よ」なので「TI」ではなく「TYO」と入力します。さいごに「う」と入力します。
「ぎょうしゃ(業者)」と入力してみましょう。もう分かりますね。「ぎ」ではなくて「ぎょ」なので「GI」ではなくて「GYO」となります。
(2)小さい「つ」
まず、「かこ(過去)」と入力してみましょう。KAKOですね。
つぎに、「かっこ(括弧)」と入力してみましょう。先に「か」を入力します。
その次に「こ」を入力するときにKを2回押します。
小さい「つ」は子音を2回入力します。
「しゅちょう(主張)」と「しゅっちょう(出張)」を入力してその違いを確認しましょう。「SYUTYOU」と「SYUTTYOU」です。
(3)ヘボン式ローマ字
「じゃぱん」は「ZYAPANN」ですが、「JAPANN」と入力しても良いです。
「じゃじゅじぇじょ」は「JA・JU・JE・JO」、「ふぁふぃふぇふぉ」は「FA・FI・FE・FO」、「うぃうぇ」は「WI・WE」です。
(4)単独で小さい文字を打つ
小さい字の「ぁぃぅぇぉ」はAIUEOの前に「L」をつけます。「LA・LI・LU・LE・LO」です。小さい字の「ゃゅょっゎ」も「L」をつけます。「LYA・LYU・LYO・LTU・LWA」です。
「あぁ」は「ALA」、「えぇ」は「ELE」、「うっ」は「ULTU」です。
また、カタカナ語でよく出てくるものは覚えておいたほうが良いでしょう。「てぃ・でぃ・うぉ」はそれぞれ「THI・DHI・WHO」です。
ウォルトディズニーは「WHORUTODHIZUNI-」です。
8.総合練習
次の単語を入力してみましょう。
「ふぇ・ふぉ」はFE・FOですが、小さい「ぉ」を単独で入力するときはLOです。
- そだねー
- おっはー
- かみってる
- いまでしょ
- あらふぉー
- たまちゃん
- いなばうあー
- なんでだろー
- じぇじぇじぇ
- まにふぇすと
- だっちゅーの
- めーくどらま
- とりぷるすりー
- わいるどだろぉ
- ちょーきもちいい
- だめよーだめだめ
- なでしこじゃぱん
- ざっそうだましい
- げげげのにょうぼう
- しゅうだんてきじえいけん
9.ホームポジションの話
【教材36ページ】
(1)FとJ
最後にタッチタイピングの話をしますが、これは難しいですが、知識として知っておいてください。キーボードのFとJを見てください。よく見てください。他のキーとの違いが分かりますか?出っ張っているものが付いています。
これは両手の人差し指を置く基準であることを表しています。FとJのキーは人差し指の置く場所です。このことをホームポジションといいます。A~FとJ~;の場所に4本の指を置くのが基本です。
そこから左上と右下に指を動かす、とっても不自然な配列になっているのです。初めから8本の指で入力しようとしなくてもいいです。最初は左右1本ずつから始めて、2本、3本と増やしていき、慣れてから4本で練習すればよいです。
(2)あいうえおが基本
タッチタイピングを練習するときも基本は「あいうえお」です。あいうえおを何百回も練習しましょう。
そして、KSTNHMYRWの子音を挟んでひらがなの入力をしましょう。
次回は漢字と記号の入力を練習しましょう。今回の講義はこれで終了です。
付録.今回の記事で使用した教材と参考文献
FOM出版「よくわかる初心者のためのパソコン入門 改訂版 Windows10 April 2018 Update対応」
実教出版「30時間でマスター Word2019 Windows10対応」