Excelにはオートフィル(AutoFill)という入力支援機能があり、ドラッグをすることによってコピーができます。オートフィルは、Excelで表を作成する際に頻繁に使う重要な操作ですが、細かい部分をドラッグすることは初学者にはとても難しい作業です。慣れるまで1000回でも10000回でも練習してください。リハビリだと思って、手と指の筋肉を鍛えてください。
さらに、マウスの左ボタンでドラッグする通常のオートフィルの他に、マウスの右ボタンでドラッグする「右ドラッグオートフィル」、Ctrlキーを押しながらドラッグする「Ctrlオートフィル」などの技があります。慣れてきたらぜひ習得して、効率の良い表作成をしましょう。
そこで、今回はオートフィルを使うタイミングと、表作成の手順について出題します。
目次
問題文のあとに簡単な操作方法を解説していますが、静止画では、わかりにくいと思いますので、最後に動画を載せています。ぜひご覧ください。
- 1.オートフィルはコピーの一種である
- 2.オートフィルのルール
- 3.数値データの繰り返し
- 4.ユーザ設定リスト
- 5.履歴書用年号換算表の作成
- 6.表の入力の順番(基本パターン)
- 7.動画版はこちら(無料)
1.オートフィルはコピーの一種である
問題
次のように入力して、それぞれ縦と横にオートフィルをしなさい。
解説
セルA1に文字を入力します。範囲選択をすると太い線で囲まれますが、右下だけ黒い四角があります。これをフィルハンドルといいます。
マウスポインターを黒い四角に重ねるとプラスの記号になります。
近づけたり遠ざけたりして、プラスの記号になるまで練習をします(マウスのボタンは押さない)。ポインターを動かして「プラスの記号になる」「プラスの記号にならない」を目でしっかり確認しながら何百回と繰り返し練習します。マウスをどの方向から近づけても、必ずプラスの記号になり、完全にフィルハンドルと重なるまで何回も繰り返し練習をします。
フィルハンドルは上下左右にドラッグすることができます。プラスの記号になっている状態で、下向きにドラッグをします。
コピーになります。
オートフィルはコピーの一種です。フィルハンドルを動かした方向に連続して同じデータが入力できます。
横向きにオートフィルをします。
今度は、複数選択をしてオートフィルをします。
何列もまとめて同じデータをコピーすることができます。
縦向きにコピーをすると繰り返しになります。
2.オートフィルのルール
問題
1行目に次のように入力して、下向きにオートフィルをしなさい。
解説
1行目に入力するときには、範囲選択をします。
次に「月」をオートフィルをします。
曜日になります。
もし単純にコピーをするのであれば、Ctrlキーを押しながらオートフィルをします。
オートフィルは規則的に入力する機能もあります。日曜日の次は月曜日になっています。どの曜日から始めても構いません。
「~月」はこのように繰り返されます。1月の場合は12月まで進んで、1月に戻ります。
オートフィルは必ずしも先頭の月から始める必要はありません。
日付の場合も同じですが、31日で止まるわけではなく、32日、33日になり、1日に戻ることはありません。
これは、末日が月によって異なるからです。
したがって、月と日がセットであれば「1日」になります。
残念ながら元号には対応していません。昭和と平成を換算するときには使えるかもしれません。
日付に限らず、数字のついた文字列の場合は連番になります。
ただし、「第1回エクセル講座1日目」のように数字が2か所以上ある時は最後の数字だけが連番になります。
連番になるのは数字だけです。ひらがな・カタカナ・アルファベットは単なるコピーになります。
3.数値データの繰り返し
問題
次のように入力しなさい。
解説
1と入力してオートフィルをすると単純なコピーになります。
数字だけの場合は連番にはなりません。数値を含む文字列の場合は自動的に連番になりますが、数値だけの場合は単なるコピーになります。
この場合は、連続データに変えれば連番になります。
また、Ctrlキーを押しながらオートフィルをすれば連番になります。
1と3を入力して、2つを選択してオートフィルをすると、2ずつ増えます。
逆に3,1と入力して、オートフィルをすると、2ずつ減ります。
これを等差数列といいます。等差数列は、公差つまり、どれだけ増やすのかを計算する必要があるので、必ず2つのセルを選択します。
例えば、2000と3000であれば1000ずつ増えます。
逆方向にオートフィルをすることもできます。
増え続けるのを避けたいときは、例えば、1、3、5と入力して、Ctrlキーを押しながらオートフィルをします。
これで単純なコピーになります。
空白を含めてオートフィルをすることもできますので、例えば1月と入力して、空白セルも選択してオートフィルをすると、空白セルを入れながらオートフィルをすることができます。
1班から3班までオートフィルをします。
合計と入力します。合計と空白セルを含めて、6個のセルを選択した状態で、Ctrlキーを押しながらオートフィルをすると、空白も含めて繰り返されます。
4.ユーザ設定リスト
問題
「子」と入力してオートフィルをしなさい。
解説
「子」と入力して、オートフィルをします。
干支になります。
Excelのオプション(ファイルタブ)の詳細設定の下のほうに、ユーザ設定リストの編集というボタンがあります。
ここに登録されているものを使って、オートフィルが行われています。したがって、ここに新たに登録すれば色々なオートフィルができますが、実務上は特に変更する必要はありません。
5.履歴書用年号換算表の作成
問題
次の表を入力しなさい。なお、この表は一例なので、自分の年齢と学年に合わせて変えなさい。
解説
昭和と平成に対応した変換表を作成します。昭和1年から作ります(元年には対応していません)。
オートフィルをします。
昭和64年が平成の1年目です。
フィルハンドルをダブルクリックすると、一番下までオートフィルができますので便利です。
これに対応する西暦を入れます。
今年の西暦を入れてさかのぼるという方法もあります。
年齢については生まれた年を0歳としてオートフィルをします。
Ctrlキーを使います。
同じように干支も今年の干支または自分の生まれた年の干支から上下にオートフィルをする方法が早いです。
最後に、うるう年ですが、これは4年に1回です。セルを4つ選んでオートフィルをします。
人によって学歴や経歴は異なりますが、高校または大学あたりから学年を埋めていきます。履歴書を書くときに便利です。
6.表の入力の順番(基本パターン)
問題
D列から数えて右に12列分の列幅を「6」に設定して、次の表を入力しなさい。
解説
D列から12列分選択します。このとき「12C」つまり12カラム(Culumn=列)と表示されます。
列幅を6にします。
入力をしていきますが、その前にオートフィルができる場所がないかどうかを探します。このときのポイントは、オートフィルは縦方向と横方向にしかできませんから、縦方向と横方向を分けて考えることです。
縦だけを考えると、B列が連番になっていることがわかります。これはオートフィルができそうです。他の列はランダムに数字が並んでいるだけです。
次に横方向を見ます。3行目の5月から10月までの繰り返しはオートフィルによるべきです。
また、4行目の英語と数学は繰り返しになっていますので、これもオートフィルです。
縦横に項目名のある表の場合は、はじめにタイトルと縦の項目を入力します。
次に横の項目を仕上げます。
最後に計算の対象となる値の入力をします。これが入力の順番の基本パターンです。このことを踏まえて、実際に入力します。
まずはB列を入力します。タイトルを入力します。38を入力して、オートフィルをします。
Ctrlキーを押せば、連番になりますが、あとで連続データに切り替える方法もあります。
次にC列の氏名を入力します。これで縦の項目は完成です。
次に横の項目を作ります。5月、英語、数学を入力します。このように、オートフィルを前提としてその元となるデータだけを先に入力します。
5月と空白を選択してオートフィルをします。
英語と数学を選択してオートフィルをします。この場合はコピーをする回数が多いので、オートフィルのほうが早いです。なお、数字が含まれていない単なる文字列の場合はCtrlキーは不要です。
最後に、数字の部分を範囲選択して一気に入力します。
これで完成です。
解説は以上です。
7.動画版はこちら(無料)
この記事は、わえなび実力養成講座「ファンダメンタルExcel」Program 1-9、1-10 の2本のYoutube動画を書き起こしたものです。
- ファンダメンタルExcel 1-9 オートフィル【わえなび】 (ファンダメンタルExcel Program1 範囲選択、文字入力とセルの扱い) - YouTube
- ファンダメンタルExcel 1-10 オートフィルを利用した表の作成【わえなび】 (ファンダメンタルExcel Program1 範囲選択、文字入力とセルの扱い) - YouTube