Excelの並べ替えには、昇順または降順にデータの順番を変えることの他に、同じグループをまとめるグループ化としての使い方があります。自分で任意にグループを決めて、データをまとめるときに使います(詳しくは、【Excel】並べ替えの昇順と降順、優先順位、グループ化、一部分だけの並べ替え - わえなび ワード&エクセル問題集)。
さらに、その使い方を応用すれば、行を挿入したり、任意の行を削除したりすることも簡単にできてしまいます。
そこで、今回は、並べ替えをグループ化として使う手法を簡単におさらいしたうえで、1行または複数行おきに行を挿入、削除する練習をしましょう。
※この問題の答えは最後に載せています。
目次
- 1.サンプルのファイルはこちら
- 2.グループ化の復習
- 3.奇数行と偶数行に分ける
- 4.1行挿入と1行削除
- 5.複数行挿入と複数行削除
- 6.複数行ごとの挿入と削除
- 7.チャレンジ問題
- 8.動画版はこちら(無料)
1.サンプルのファイルはこちら
わえなび公式サイト(waenavi.jp)では、この記事で使用しているExcelのデータを無料で配布しています。ご自由にお使いください。「7-12」のサンプルファイル(ZIP)です。
ファンダメンタルExcel_Program 7. データベース | わえなび [waenavi] the Theory of Word-Excel
2.グループ化の復習
問題
次のリストについて、番付1と6、2と7、3と8、4と9、5と10が隣同士になるように並べ替えなさい。また、それぞれ勝ち数が多いほうが上になるようにしなさい。
解説
1,2,3,4,5番の間に、6,7,8,9,10番を入れて交互になるようにするには、グループ化を使います。1から5をコピーします。これで5つのグループを作ったことになります。
この列を含めて表を選択します。
ユーザー設定の並べ替えで、グループの昇順にします。
これで完成です。それぞれ、番付1から5の下に、6から10が入ります。それは、グループの番号が同じである場合(同順位の場合)、並べ替える前の上下関係が保持されるからです。
5つのグループでそれぞれ勝ち数が多いほうが上になるようにするには、並べ替えの時に、レベルを追加します。次に優先されるキーとして「勝ち」の降順にします。
これで完成です。勝ち数が多いほうが上になっています。
3.奇数行と偶数行に分ける
問題
さきほどのリストについて、番付が奇数の力士を上、偶数の力士を下にしなさい。
解説
今度はグループを、1,2,1,2,・・・とします。これで2つのグループを作ったことになります。
昇順で並べ替えます。
奇数の力士が上、偶数の力士が下になります。奇数の力士の順番が、1,3,5,7,9になるのは、並べ替える前の上下関係が1,3,5,7,9の順だったからです。
このように繰り返しの数列を入力することで、1行おき、または、何行かおきにグループにすることができます。
4.1行挿入と1行削除
問題
さきほどのリストについて、次の図のように、各行の下に1行挿入しなさい。また、挿入した行を削除しなさい。
解説
このように、Ctrlキーを使って1行ずつ選択して、行を挿入することも可能です。
しかし、行が多い時は選択するのが面倒です。
そこで、1~10の連番をコピーして、さらに下に貼り付けます。
表全部を範囲選択して、この列の昇順で並べ替えます。
空白行が入ります。これで完成です。
このように、1行おきに行を挿入するには、連番を入力して、それと同じものをさらに下にコピーします。
これを昇順で並べ替えます。
例えばリストが100行あった場合は、それと同じ100行分の空白行をあわせて、200行で並べ替えをします。
1行おきに削除するときも、1行おきに選択して削除すればよいですが、行が多い時は選択するのが面倒です。そこで、削除せずに残す行だけ同じ文字列を入れて(フラグを立てる)、削除する行は空白にします。
これで並べ替えをします。このとき昇順か降順かは問いません。
昇順でも降順でも空白は下になります。
あとは、下になった行をまとめて削除するだけです。
1行おきに行の削除をするには残す行だけフラグを立てて並べ替えます。
5.複数行挿入と複数行削除
問題
次の図のように、各行の下に3行挿入しなさい。また、挿入した行を削除しなさい。
解説
連番をコピーします。
さらに下に3回コピーします。これで、1番のグループは、1番目の力士と空白の3行です。
これを全部選択します。並べ替えをします。
これで完成です。
3行ずつ消すには3行おきにフラグを立てます(オートフィル)。
これを全部選択します。並べ替えをします。
これで完成です。
6.複数行ごとの挿入と削除
問題
次の図のように、2行おきに1行挿入しなさい。また、挿入した行を削除しなさい。
解説
連番を入力しますが、その下には偶数だけ入力します。2ずつ増やします。
これを全部選択します。並べ替えをします
同じグループであれば空白行が下になります。それは並べ替える前に空白行が下にあったからです。
2行おきに消すには、残す2行だけフラグを立てます。
これを全部選択します。並べ替えをします。
これでフラグを立てた行だけ残ります。
7.チャレンジ問題
問題
セル範囲A1:C30に30個の文字列が入力されていたとする。これを移動して、次の図のE~G列のように斜めに並べるにはどうすればよいか?
略解
並べ替えで2行ずつ空行を入れた後、F1とG1:G2を選択して、右クリック→挿入→下方向へシフト。
解説は以上です。
*補足*
空白行の削除はジャンプ機能(空白セル選択)を使うことが多いですが、空白が選択できないことがあります(参考:【Excelジャンプ】空白セルを一括選択して一括コピーして一括削除する)。
8.動画版はこちら(無料)
この記事は、わえなびファンダメンタルExcel Program7-12 の動画の内容を書き起こし、加筆修正したものです。
動画版(完全版)は、Youtubeにすべて無料で公開しております。ぜひ、ご覧ください。
ファンダメンタルExcel 7 データベース(全28回)【わえなび】 - YouTube
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