パソコンでマウスによる操作と文字入力ができるようになると、簡単な文書やメールが作れ、インターネットがつながっているパソコンであれば情報を調べることができるようになります。
パソコンを教えてくれる人は当然パソコンを使い慣れている人ですが、残念ながらパソコンが得意な人のほとんどが、「自分がどうやってパソコンを覚えたのか」ということを忘れてしまっているので、それを人に教えることもできません。
そこで、前回、ローマ字入力とひらがなの入力方法を練習したことを前提として、漢字変換の練習ができるようになるまでの流れを解説します。
問題
パソコンの超初心者に、カタカナ、漢字変換と記号入力の練習方法について詳しく説明せよ。ただし、マウス操作とローマ字入力は習得できているものとし、教材として、FOM出版「よくわかる初心者のためのパソコン入門Windows10対応」を使用するものとする。
目次
今回も前回と同様、実況中継風に説明します。
1.前回の復習テスト
皆さん、こんにちは。
さて、前回はワードパッドにひらがなの入力をする練習をしましたが、その復習から始めましょう(参考:キーボードが使えない初心者にローマ字入力を説明する講義の実況中継【Word_Excel入門講座実況中継その2】)。ここから、いくつかの質問をしますが、声に出さなくてもいいので頭の中で答えを考えてみてください。
まず、文字を入力する前に確認することは何だったでしたか?
文字を入力するときは必ず点滅のカーソルがあることを確認するんですよ。カーソルが無いと、キーボードのキーをいくら押しても文字が表示できないんでしたよね。カーソルがあることをしっかり確認してください。
日本語を入力するときには「あ」の状態にします。「半角/全角」キーで切り替えます。
それでは「あいうえお」と入力しましょう。さて、入力したら最後に何のキーを押せば良いでしょうか?
はい、「Enter」ですね。Enterキーは入力したものを確定する場合と、改行するときに使いますね。では、もう一度Enterキーを押して改行しましょう。
ところで、「あいうえお」と最初に入力しましたが、日本語の入力ではこの「あいうえお」がとっても大事なんです。どうしてでしょうか?
はい、それは日本語をローマ字にすると約半分が母音、つまり「AIUEO」です。「あいうえお」が速く打てることは日本語を速く入力するコツなんですよ。何回も練習しましょう。
単語を入力してみましょう。「さくら」と打ってみましょう。母音は「AUA」です。その間に子音を入れます。サ行のS、カ行のK、ラ行のRです。「SAKURA」ですね。単語を入力したらEnterキーを押しましょう。
「しょっぴんぐせんたー」と入力してみましょう。小さい「ょ」「っ」はどのように打てばよかったでしょうか?「しょ」は「し=SI」の「I」と入力する代わりに「YO」と入力するんでしたね。
小さい「っ」は、次の「ぴ=PI」を入力するときにPを2回入力すればよかったですね。
そして「ん」はNが2回でしたね。Nが1個だけだとナ行の可能性があるからです。
最後の伸ばす記号「ー」はPの右上にありますね。
2.漢字変換
では、「さくら」と入力してみましょう。
そして、最後にEnterキーではなくスペースキーを押してみましょう。スペースキーは一番手前にある何も書いてないキーのことです。右手でも左手でもいいので親指で押すようにしましょう。
漢字の「桜」になりましたね。このように漢字に変換するときには「スペースキー」を押します。いや、隣に「変換」キーが・・・と思われたかもしれませんが、それでもいいんです。いいんですけど、パソコンによっては「変換」の無いものがあるんです。基本的にスペースを押すことを覚えましょう。
これで良ければEnterキーを押します。漢字に変換した時も必ずEnterキーは押してください。Enterキーは漢字変換を確定するときにも使います。
「さくら」と入力してスペースを何回も押してみましょう。「さくら」さんという名字や名前、地名も出てきますね。
「かんじ」と入力して変換してみましょう。「感じ」になりますね。感じるほうではなく、飲み会の「幹事」にしたい場合は、もう一度、スペースキーを押します。変換候補が出ますね。上から番号が付いています。スペースを1回押すと1番の候補、2回押すと2番目の候補、・・・という意味です。
3.句読点・かぎかっこ・数字
句読点は右下にあります。点と丸を入力してみましょう。ちなみに、その隣にあるのは中点です。
かぎかっこはEnterキーの隣にあります。
キーボードの上に1~0のキーがあります。順番に押してみましょう。
4.半角と全角
(1)半角/全角キー
さて、キーボードの左上を見てみましょう。「半角/全角」というキーがあります。何回か押してみましょう。画面の右下の「あ」と「A」が切り替わってますね。これは「半角モード」「全角モード」を表しています。
「あ」の状態にして1~0の数字を入力してみましょう。
改行します。今度は「A」の状態にして1~0の数字を入力してみましょう。どうですか?幅が狭いのが分かりますか?このように同じ文字なのに文字の幅が違うものがあるのです。
幅が広いほうを全角、幅が半分しかないほうを半角といいます。
(2)全角モードになっていることを必ず確認する
通常は「あ」のほう、つまり全角にして入力します。
日本語で「おはようございます。」と入力をしようとして、間違えて半角モードで入力してしまったら変換することができませんね。これは大変なことです。せっかく入力したのにもう一度消してやり直しですね・・・
このようなことが無いように、入力するときには必ず全角モードになっていることを確認します。では、全角モードになっていることを確認して、「おはようございます。」と入力しましょう。
5.カタカナ
(1)全角カタカナはF7キー
カタカナ語もたいていは漢字変換で出てきます。例えば、「あめりか」と入力して変換してみましょう。アメリカは漢字で書くと「亜米利加」ですが、スペースキーで変換すると、漢字ではなくカタカナになります。よく使うカタカナ語はカタカナに変換してくれるんです。便利ですね。
ところが、カタカナ語ではない場合は変換しても出てきません。例えば「ショ」という文字を変換してみましょう。変換すると漢字になります。
そういう時は「F7」キーを押しましょう。F7が全角カタカナです。
(2)文章を入力しよう
「飲み会のカンジは漢字で幹事と書く」と入力してみましょう。まず、「のみかいの」と入力して変換しましょう。
次に、「かんじ」と入力して「F7」キーを押しましょう。
「は」と入力します。ここでEnterキーを押します。「かんじで」と入力してスペースキーを押しましょう。
「かんじと」と入力してスペースキーを何回か押しましょう。
最後に「かく」と入力してスペースキーを押しましょう。最後にEnterキーを押します。
6.全角英数はF9キー
全角で「word」と入力してみましょう。「をrd」となりますね。「を」はローマ字入力で「WO」です。
これを全角のアルファベットにするには「F9」キーを押します。
とりあえず、F7がカタカナ、F9が英語だと覚えましょう。
「F9」キーをもう一回押すと全部大文字になります。
「AB型」と入力してみましょう。まず、「ab」と入力します。「あb」になりますね。
「F9」キーを2回押しましょう。Enterキーを押します。
「がた」と入力します。これは漢字の変換ですからスペースキーです。
では、全角で「au」と入力してみましょう。「あう」と入力してからF9キーですね。
今度は半角にして「au」と入力してみましょう。変換しなくても「au」になりましたね。半角のひらがなというのはありません。半角モードの場合、アルファベットか数字しか入力できませんので変換ができません。
7.記号の入力
(1)キーの右上を見ましょう
キーボードのキーにはそれぞれ文字がたくさん書いてあります。句読点のキーを見てください。句読点はキーの右上に書いてありますね。
キーの右上に記号が書いてあるキーは全部で5つあります。句読点と中点とかぎかっこです。句読点と中点とかぎかっこの5つのキーは、キーの右上の記号が入力されます。
(2)キーの左下を見ましょう
これら5つのキー以外で、キーの左下に文字(ひらがなを除く)が書いてあるものは何個ありますか?例えば、1~0の数字は左下に書いてありますね。
キーボードの一番上の段は全部ですね。順番に押してみましょう。
伸ばす記号「ー」、その隣の「^」、これはキャレットと言います。ハットとも言います。そして、その隣の円マーク「¥」です。
あと3つあります。アットマーク「@」とセミコロン「;」とコロン「:」です。これらは、右上に記号が書いてなくて、左下に記号が書いてあります(ひらがなを除く)。このようなキーは左下の記号が入力されます。
(3)キーの左上を見ましょう
最後にキーの左上を見てみましょう。キーボードの一番上の段はすべて記号が書いてありますね。
この記号は「Shift」キーを押しながら入力します。Shiftキーは左端と右端に1つずつあります。ちょっと難しいですね。
例えば、1のキーを押すと1と入力されます。1という数字が左下に書いてあるからです。
これをShiftキーを押しながら入力してみましょう。Shiftキーは左端と右端に1つずつありますからどちらか一方を押してみましょう。それを押しながら、1のキーを押してみてください。どうですか?
ビックリマーク「!」が入力されましたね。Shiftキーを押しながら入力すると、キーの左上に書いてある記号が入力できます。キーボードの上の段を入力してみましょう。
数字の「0」のキーの左上には何も書いてありませんね。ですから、Shiftキーを押しながら0のキーを押しても何も入力されません。
このなかで、特にかっこが重要です。Shiftキーを押しながら、8・9です。かぎかっこはShiftキーがいらないですが、丸かっこはShiftキーが必要です。
この他にも、左上に記号が書いてあるキーを練習しましょう。中カッコ{}、プラス+、アスタリスク*、不等号<>、はてな?、アンダーバー_です。「*」をアスタリスクといいます。「_」はアンダーバー(アンダースコア)です。
他にもありますよ。そうです。アルファベットです。Shiftキーを押しながら入力してみましょう。大文字のアルファベットが入力できますね。キーの左上に大文字のアルファベットが書いてあるのは、Shiftキーを押しながら入力すると大文字のアルファベットが入力できることを表しているのです。
ということは、さきほどの「AB」はShiftキーを使って入力することができるということです。
(4)練習
では、ここで問題です。これらの文字をキーボードで入力してください。このときに、Shiftキーが必要なのかを考えてください。Shiftキーが必要なのは、キーの左上に書いてある記号だけですよ。
8.変換して記号を入力する
(1)F9キーで入力する記号
句読点と中点とかぎかっこの5つは、キーの右上に書いてある記号です。Shiftキーは要りませんね。
Shiftキーを押しながら入力すると、左上の記号が入力できます。
では、左下の記号はどのように入力すればいいのでしょうか?それは「F9」キーです。まず、全角で『、。・「」』を入力します。
「F9」キーで変換すると『,./[]』になります。
「F9」キーは全角のアルファベットの小文字を入力するキーでしたね。キーの上に2つ記号が書いてあって、さらに左下にも記号がある時は「F9」キーで変換します。
(2)記号や数字を変換する
かぎかっこを入力してみましょう。このカッコをスペースキーで変換してみましょう。二重のかぎかっこになります。漢字変換と同じように、キーボードに書いてある記号はスペースキーで別の記号に変換することができるんです。
今度は、Shiftキーを押しながら「8」または「9」のキーを押すと括弧が入力できますが、このカッコをスペースキーで変換してみましょう。いろんなカッコが出てきましたね。
Shiftキーを押しながら「=」を入力して変換しましょう。ノットイコール、ニアリーイコールが出てきます。
不等号を変換すると、下にイコールのついた不等号を出すこともできます。
今度は、数字の1を入力してみましょう。これを変換するとどうなるでしょうか。丸付き数字になります。
(3)2つの記号を1つの記号に変換する
今度は10を変換してみましょう。半角の10のほか、丸付き数字の10やローマ数字のX、漢数字の壱拾もでてきます。このように2つの文字を入力して、1つの記号に変換することもあります。
長音「ー」と不等号「>」を入力して、変換してみましょう。矢印になります。
不等号「<」と長音で左向きの矢印になります。
(4)読み方を入力して変換する
ひらがなで「まる」と入力してみましょう。変換すると丸印のほか、二重丸や黒丸も出てきます。このように、キーボード上に無い記号は読み方を変換すると出てくることがあります。
「さんかく」「しかく」「ほし」もやってみましょう。
掛け算は「かける」です。「おなじ」を変換すると、点々の同じを表す記号や人名で使われる記号が出てきます。
「うえ」を変換すると上矢印、「した」を変換すると下矢印、「やじるし」を変換するといろんな矢印が出てきますね。
郵便番号は「ゆうびん」、音符は「おんぷ」、米印は「こめ」、顔文字は「かお」です。
最後に「6÷2=3」と入力してみましょう。割る記号はひらがなで「わる」と入力して変換します。イコールはキーボード上にあるキーなのでShiftキーを押しながら入力します。キーボード上にある記号であればそれを入力しますが、キーボード上に無い記号は変換が必要です。
次回は手書き入力、文字の削除と挿入、特殊文字を練習しましょう。今回の講義はこれで終了です。