Excelの罫線で、複雑な図形を描く練習をすれば複雑な表を作れるようになります。逆に、複雑な表を作る練習をすれば複雑な図形も描けるようになります。
上の図のように、規則的に並んでいる直線的な図形は、複雑になればなるほど、罫線で描いた方が早いです。(回答例は一番下に載せています)
というわけで、今回は、罫線で図形を描くことを応用して複雑な表を作るという、Excelの教科書には絶対に載っていない技を解説します。
目次
問題文のあとに簡単な操作方法を解説していますが、静止画では、わかりにくいと思いますので、最後に動画を載せています。ぜひご覧ください。
1.途切れた罫線の考え方
問題
行の高さ30、列幅4.5として、罫線を用いて次の5つの図形をかきなさい。
解説
この問題は「複雑な表を作るための基礎トレーニング」です。地図やイラストを描こうとしているわけではありません。途切れた線を描くトレーニングです。
行の高さを30、列幅を4.5とします。
この図は途中で線が途切れています。この場合、途切れている線を縦につなげます。
そして、縦と横に線を引くと、縦が3行、横が2列必要であることがわかります。
2つのセルを選択して外枠だけ罫線を引きます。
上と下のセルを選択します。右に線を引いて完成です。
斜めの線が途切れている場合は、つなげてはいけません。
エクセルは縦横に格子状になっていますから、右端と左端の点から十字の線を引いて考えます。
2番は3行2列であることがわかります。
また、3番は3行3列であることがわかります。
さきほどと同じように2つのセルを選択して外枠だけ罫線を引きます。右上と左下のセルを選択して、斜めに線を引きます。これで完成です。
なお、斜めの罫線について、詳しくは別の記事がありますのでこちらをご覧ください。
3つのセルを選択して外枠だけ罫線を引きます。
左上と右下のセルを選択します。斜めに線を引きます。これで完成です。
4番の図形は3行3列です。途切れている部分はつなげて考えます。3つのセルがあるものと考えます。縦に結合してはいけません。
3行3列を選択します。内側だけ罫線を引きます。
真ん中のセルだけを選択します。上と下の線だけ消します。これで完成です。
5番の図形は縦横に線を引けば3行3列であることがわかります。クロスしている部分は、行や列を分ける必要はありません。
左上と右下を選びます。斜めの線を引きます。
左下と右上を選びます。斜めの線を引きます。
真ん中のセルを選択します。外枠は実線で、内側には斜めの線を点線で引きます。
これで完成です。
2.六角形を描く
問題
次のような六角形をかきなさい。
解説
六角形をExcelで描くことなんて人生に一度あるかないかだとは思いますが、この問題も、行・列のカウントの練習だと思ってください。
斜めの線の右端と左端は全部で6か所あります。十字の線を入れます。3行2列でかけることがわかります。
ただし、長さの比率がわかっている場合はそれも考慮して、行数を決めます。
正六角形の場合は、行の高さがちょうど1対2対1になっていることから、4行でかきます。
このように斜めの線4本と、縦の線2本をかきます。
行の高さを広げます。これで完成です。
なお、「ベンゼン環」については別の記事で詳しく書いていますので、こちらをご覧ください。
3.隙間があるように見える罫線
問題
オレンジと緑の線の途中に少しだけ隙間がある。このような図をかきなさい。
解説
線が途切れているときは1行または1列確保するのが基本です。
ところが、このように隙間がたくさんある場合、その隙間のために1行または1列確保するのは面倒です。
この場合は塗りつぶしを使います。オレンジと緑色で塗りつぶします。
範囲選択をして、罫線の画面を開きます。太線を選んで、色を白色にします。
内側の縦の線を引きますが、白色の線なので何も見えません。
塗りつぶしのセルに、白色の罫線を引くと区切りになります。
この行を狭くして完成です。
罫線や塗りつぶしの途中に小さい隙間があるのは「途切れている」のではなく「白い罫線」です。ちなみに、白い罫線で区切るという手法は、Webデザイン(メニューバーとか)でよく使われる基本的な技です。
4.図形の考え方を応用して表を作る
問題
次の図を、罫線を用いて作る場合、何行何列必要か。
解説
この図の中で、縦2本、横4本の罫線が途切れています。途切れている罫線は延長するのが原則です。延長して、1行または1列としてカウントします。
特に、延長した線上に文字があるときは、1本の線につき左右に1列ずつ計2列が必要です。9時の線で2列、19時の線で2列、合わせて4列必要です。
B2:G8を選択します。罫線の画面を開きます。外枠と内側の横の線を引きます。
B列とC列だけは格子に線を引きます。
ここで文字入力をします。中央揃えにします。
B3:B5とB6:B8をそれぞれ選択します。結合して、縦書きにします。
文字がはみ出てしまいます。この場合は文字を小さくするか、行の高さを広げます。
D2:E2とF2:G2のほか横向きに5か所選択します。結合します。
「手数料200円」と「無料」をオートフィルをします。その他の罫線の画面を開きます。左右を点線にします。
これで完成です。
5.確認テスト
(1)あみだくじ
問題
次の図を、罫線を用いて作りなさい。ただし、横の線と斜めの線は自由に引けるようにする。
解説
あみだくじを罫線で作れるようになれば、基礎トレーニングの成果が出ている証拠です。特に、斜めの線は斜めに延長するのではなく、水平に線を引いて考えることができれば合格です。
あみだくじを手書きで作る場合、最初に縦の線を引きます。Excelの場合も同じように、縦の線だけを考えます。延長した線上に文字があるときは、1本の線につき2列必要です。
つまり、A~Eで10列必要です。2つのセルを結合して横向きにオートフィルをします。
文字入力をします。
2列選択します。あとで横の線と斜めの線を引くことを考えて15行程度選択します。左右に線を引きます。
このまま右方向にオートフィルをします。
A~Eをコピーします。
文字入力をします。縦書きの上揃えにします。
1本だけ横の線を引きます。これをコピーすれば、横の線はたくさん引けます。
斜めの線の時だけ結合が必要です。これで完成です。
(2)回覧
問題
次の図を、罫線を用いて作りなさい。
解説
線が途切れている部分を延長します。また、間が空いている部分も1行または1列とカウントします。
はじめに文字入力をします。
中央揃えをするとともに、格子の罫線を引きます。
結合して、縦書きにします。
2つのセルを選択します。
二重線に修正します。
列幅を狭くしたり、行の高さを広げます。これで完成です。
(3)連絡通路
問題
次の図を、罫線を用いて作りなさい。ただし、各階の行の高さを30とする。
解説
連絡通路のところは途切れた罫線なので2行必要です。そして、この部分だけ行の高さは15です。
これが完成図です。
6.最初の問題の答え
最初の挑戦状は、わえなび実力養成講座「Excel新演習4罫線を極める」Program 4-2 の後半にある特訓問題です。
こちらが模範解答例です。
解説は以上です。
7.動画版はこちら(無料)
この記事は、わえなび実力養成講座「Excel新演習4罫線を極める」Program 4-5、4-6 の2本のYoutube動画を書き起こして、加筆修正したものです。
- Excel新演習4・罫線を極める 4-5 途切れた罫線1(罫線で図形を描く)【わえなび】 - YouTube
- Excel新演習4・罫線を極める 4-6 途切れた罫線2(途切れた線を使った表)【わえなび】 - YouTube
ちなみに、Excelの罫線と表作成の動画は全部で22本あります。すべて無料公開しています。ぜひご覧ください。