給与計算や1か月分の支払では「締め日(しめび)」が重要となります。締め日とは、簡単に言えば「期間の最終日」のことです。例えば、20日までを1か月分として計算し、21日以降を翌月分にまわすことを「20日締め」と言い、毎月20日のことを締め日と言います。また、カレンダー通りに月初から月末までを1か月分とすることを「月末締め」と言い、この場合は毎月の月末が締め日となります。
月末締めの場合はEOMONTH関数を使います。そして、月末締めの期間計算を20日ずらすだけで20日締めの計算となります。20日締めだろうが、15日締めだろうが「月末じゃないからEOMONTHではない」などと考えてはいけません。
そこで、変則的な月末の求め方、月末でない締め日の求め方など、EOMONTH関数を用いた締め日と支払日の計算について出題します。
目次
1.EOMONTH関数の基本
EOMONTH関数の基本的な使い方についてはこちらの記事をご覧ください。
2.月末締めの場合(基本)
(1)月末を求めるだけです
問題
月末締めとして、セルB1の日付の締め日を求めなさい。
解説
給料や使用料金、売上の入金、仕入代金の支払いなど月に1回定期的に計算する場合は、「毎月20日」などと日にちを決めて計算します。1か月の期間の最終日のことを「締め日(しめび)」といいます。
特に、締め日が月末であることを「月末締め」と言います。月の初めから月末までを1か月の期間として集計します。例えば、3月の日付になっている請求書や、3月に働いた給与を「3月分」として計算します。
月末締めは最も分かりやすいです。締め日を求めるにはEOMONTH関数を使えばよいです(参考:【Excel】EOMONTH関数は月末を求める関数ですが、月初も計算できます)。
- =EOMONTH(B1,0)
(2)支払日が翌月10日の場合
問題
月末締めとして、セルB1の日付の締め日を求めなさい。
解説
1か月ごとにお金を支払う場合、1か月分を集計しなければなりません。事務の人が合計を計算して、請求または支払いの手続きをするのには結構時間がかかる(=意外と大変な作業なのです)ので、締め日の10日後・15日後・20日後などと決めて支払いをします。
これを「支払日(しはらいび)」といいます。特に、月末までの1か月分を翌月の10日に支払う場合は、「月末締め翌月10日払い」と言います。
さきほどの問題で月末日(締め日)を求めたので、その10日後が支払日となります。
- =B3+10
- =EOMONTH(B1,0)+10
3.20日締めの場合
問題
20日締めとして、セルB1の日付を基準として締め日を求めなさい。
解説
Excelで計算するなら月末締めのほうが分かりやすいのですが、31日の月もあれば30日の月もあるので、日にちを統一できないという欠点があります。また、支払いが月末の場合、それより前に入金があったほうが嬉しいです(残高不足にならない)。
- (例)給与振り込み20日→引き落とし月末
そこで、月末でない日を締め日としている会社も多いようです。毎月20日を締め日とすることを「20日締め」といいます。20日締めは、前月21日から当月20日までで集計をします。
<補足>
5日締め、10日締め、15日締め、25日締めなどもありますが、考え方は同じです。
Excelで20日締めの計算をするときは、この期間の全体を20日前にずらします(N日締めの場合はN日前にずらす)。つまり、20日前の日付を求めると月初~月末の期間となります。
20日前にずらした期間の月末日は、EOMONTH関数を使って求めることができます。
- =EOMONTH(B1-20,0)
その月末日に20日を加算すれば、締め日となります。
20日締めの締め日は、「=EOMONTH(B1-20,0)+20」となります。
いっぱんに、任意の日付から、N日締めの締め日を求める場合は、「=EOMONTH(B1-N,0)+N」となります。
4.20日締めの支払日
(1)月末払い
問題
セルB1の日付が20日までの場合はその月の月末、21日以降の場合は翌月の月末を求めなさい。
解説
20日までの1か月間の合計をして、その支払いを月末とすることを「20日締め月末払い」といいます。20日までの場合はその月の月末の支払いとなりますが、21日以降の場合は翌月の月末の支払いとなります。
さきほどの問題と同じように、いったん20日前を計算します。そして、その翌月末を求めます。
基準日の20日前の翌月末です。
- =EOMONTH(B1-20,1)
(2)20日締めの翌月15日
問題
セルB1の日付が20日までの場合はその翌月の15日、21日以降の場合は翌々月の15日を求めなさい。
解説
20日を締め日として、20日までに発生した金額を翌月の15日に支払うことを「20日締め翌月15日払い」と言います。21日以降の場合は翌月ではなく、翌々月の15日となります。
さきほどの問題で「月末払い」を求めたので、さらに15日を加算すれば翌月15日となります。
- =EOMONTH(B1-20,1)+15
5.20日締めの期間開始日
問題
20日締めとして、セルB1の日付を基準として期間の開始日(前回締め日の翌日)を求めなさい。
解説
日にちを21日に固定する場合は、EOMONTH+21となります。さきほどと同じように20日前の日付を考えます。
その前月の月末日に21日を加算すれば、開始日となります。
- =EOMONTH(B1-20,-1)+21
いっぱんに、任意の日付から、N日締めの開始日を求める場合は、「=EOMONTH(B1-N,-1)+N+1」となります。前回締め日が「=EOMONTH(B1-N,-1)+N」で求められるのでその翌日となります。
解説は以上です。EOMONTH関数の練習問題はこちらの記事をご覧ください。