Excelが使えない人に限って「Excelの計算は信用できない」などと言うことがあります。そして、目の前にパソコンがあるのにわざわざ電卓を取り出して検算するというお馬鹿な話をよく聞きます。少しはスキルの無さを自覚したほうが良いです。Excelの計算を電卓で検算する必要はまったくありません。
しかし、Excelが表示されていないときでも計算したいときはあるので、パソコンで電卓をいつでも起動できるように設定する方法を知っておいたほうが良いと思います。
そこで、今回は、パソコンで電卓を起動する方法とピン留めの方法、電卓の最前面表示、テンキーを用いた入力などについて解説します。
目次
- 1.Excelが間違っている?
- 2.電卓が不要というわけではない
- 3.パソコンで電卓を起動する
- 4.常に手前に表示(最前面表示)
- 5.テンキーパッドが便利です
- 6.電卓の値のコピー・貼り付け
- 7.calc
- 8.さいごに:なぜこの記事を書いたのか?
1.Excelが間違っている?
Excelに限らず、コンピュータの計算には誤差や限界があります。特にExcelは小数の計算が正確でないことが知られています。また、表示形式によって計算が合わない表示になることもあります。そのため、コンピュータによる計算の特性を知るとともに、Excelで計算が合わない主な原因と、正しい対処方法を知っておく必要があります。
例えば、Excelで「3+3=7」と表示させることは可能です。しかし、このように計算が合わない表示になってしまうのは、Excelが間違っているわけではなく、正しく表示させるスキルが無いだけです。簡単に言えば勉強不足です。
「Excelの計算は信用できない」などと意味不明な言い訳をする前に、正しいスキルを身につけてほしいのですが、その余裕が無ければ仕方がないので電卓で検算するしかありません。
2.電卓が不要というわけではない
電卓は、店舗や屋外などのパソコンが使えない場所で使うことがあります。また、簿記、プログラミング、演奏など特殊な用途の電卓もあります。
3.パソコンで電卓を起動する
Excelを使用していないときでも簡単な計算をしたいときがあります。
しかし、パソコンがあるのにわざわざプリントアウトをして、パソコンを使わずに電卓を使って計算するのは絶対にダメです。原則としてパソコンが目の前にある場合は、パソコンの電卓機能を使いましょう。
(1)電卓を起動する
問題
Windowsのパソコンで、電卓を起動しなさい。
解説
スタートメニューのプログラムの一覧のなかに「電卓」があります(Windowsアクセサリの中にある場合もあります)。
この電卓はWindowsのパソコンであれば標準で搭載されています。
この電卓は、画面上のキーをマウスでクリックして使用することもできますが、もちろんキーボードのテンキーを使用することもでき、足し算・引き算・掛け算・割り算はキーボードで行うことができます。
テンキー以外のキーの割り当て(ショートカットキー)は次の通りです。
- 足し算[+]・・・Shift+[;]
- 引き算[-]・・・[-]
- 掛け算[×]・・・Shift+[:]
- 割り算[÷]・・・[/]
- イコール[=]・・・[Enter]
- 右1桁消去・・・[BackSpace]
- 全部消去・クリア[C]・・・[Esc]
- 現在値消去・クリアエントリ[CE]・・・[Delete]
- パーセント[%]・・・Shift+[5]
- メモリ加算[M+]・・・[Ctrl]+[P]
- メモリ減算[M-]・・・[Ctrl]+[Q]
- メモリ保存[MS]・・・[Ctrl]+[M]
- メモリクリア[MC]・・・[Ctrl]+[L]
- メモリ呼出し[MR]・・・[Ctrl]+[R]
(2)タスクバーにピン留め
問題
タスクバーにピン留めしなさい。また、ピン留めを外しなさい。
解説
電卓を起動するとタスクバーにも電卓のアイコンが表示されます。これを右クリックします。
「タスクバーにピン留め」をすると、常にタスクバーに電卓のアイコンが表示されますので、いつでも電卓を使用することができます。
右クリックしてピン留めを外すこともできます。
(3)クイックアクセスツールバー
問題
Excelのクイックアクセスツールバーに電卓を追加しなさい。また、削除しなさい。
解説
Excelの画面の右上にある「クイックアクセスツールバーのユーザー設定」で、その他のコマンドを選びます。
すべてのコマンドの中から「電卓」を探してクリックします(結構下のほうにあります)。
追加のボタンをクリックすると右側の一覧に追加されます。
これでクイックアクセスツールバーに電卓を追加されます。Excelを起動しているときは常に表示されますので、いつでも電卓を使うことができます。
右クリックで「クイックアクセスツールバーから削除」をすると、アイコンが消えます。
4.常に手前に表示(最前面表示)
問題
Windows電卓を起動して、電卓が常に手前に表示されるように設定しなさい。また、設定を解除しなさい。
解説
Excelを画面いっぱいに表示したとします(全画面表示)。電卓を使用するときは手前になりますが、Excelを使用すると、電卓が隠れてしまいます。Excelの画面を見ながら電卓で検算したい場合、使用状態にかかわらず電卓が常に手前に表示されるように設定したほうが良いです。
電卓の「常に手前に表示」のボタンを押します。
これでExcelを使用しても、電卓が前面に表示されるようになります。
同じボタンをもう一度クリックすることにより、設定が解除になります。
5.テンキーパッドが便利です
キーボードのうち、テンキーの部分だけ市販されています。これを「テンキーパッド」といいます。ノートパソコンを使用する場合は、USB接続でテンキーパッドを取り付けて入力することをおすすめします。
また、パソコンがBluetooth対応であれば、Bluetooth対応の無線テンキーパッドが良いです。
Excelで使用するときに便利なキーが付いた、Excel専用のテンキーパッドもあります。
6.電卓の値のコピー・貼り付け
問題
電卓で計算した結果をコピーしてExcelに貼り付けなさい。また、Excelに入力した数値をコピーしてExcelに貼り付けなさい。
解説
電卓で計算します。数値の部分をドラッグで選択します。[Ctrl]+[C]でコピーします。
Excelで貼り付けをします。
今度は、Excelに数値を入力してコピーします。
電卓を選択して、[Ctrl]+[V]で貼り付けます。このように、電卓にコピーまたは貼り付けをすることができます。
7.calc
問題
「calc」と入力して、電卓を起動しなさい。
解説
マウスが使えない状況で電卓を起動するには「calc」と入力します。例えば、エクスプローラのアドレスバーに半角モードで「calc」と入力し、Enterキーを押すと電卓が起動します。
別解その1
スタートボタンを右クリックして、ファイル名を指定して実行を選びます。ショートカットキーは[Windows]+[R]です。
ここに「calc」と入力すれば電卓が起動します。
別解その2
検索ボックスが表示されているときは、「calc」と入力し、Enterキーを押すと電卓が起動します。
8.さいごに:なぜこの記事を書いたのか?
さて、ここまで、「電卓を使いたいなら、電卓をピン留めすればいいじゃん」という記事を書いたのですが、電卓をピン留めすれば許されるという意味ではありません。電卓にも誤差があり、特に端数処理の問題は電卓で解決できることではありません。
計算が正確かどうかといった問題ではありません。
Excelの代わりに電卓で検算する人はピン留めすらしようとしない、つまり、業務改善をする意欲が無い証拠です。電卓を使っている本人は満足かもしれませんが、いつまでたっても仕事が速くなりませんし、周りの人にも迷惑です。
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