Excelのシート上にあるセルには、A1、B2といったセル番地が付けられており、行番号、列番号の組み合わせで構成されています。このセル番地または行列番号を用いて、そのセルへ直接移動する方法が何通りかあります。
また、列番号がアルファベットではなく数字の場合はどうすればよいか、数式の中で使われているセルへ移動したい場合はどうすればよいか、などの特殊な場合もあります。
実際には、Excelでセル番地または行列番号を指定して移動することはそんなにないと思いますが、必要な場面ですぐに操作できるように、いろんな場面を想定して普段から練習しておいたほうが良いでしょう。
そこで、今回は、セル番地または行列番号を指定してジャンプする方法についてまとめて出題します。
目次
1.行数、列数をカウントする(基本)
問題
セル範囲A1:H5を選択し、何行何列かをカウントしなさい。また、これを利用して10列目に移動しなさい。
解説
ドラッグによってセル範囲A1:H5を選択します。このとき、数式バーの左側の欄(これを名前ボックスという)に「5R x 8C」と表示されます。
5Rとは5 rows、つまり5行という意味です。また、8Cとは8 columns、つまり8列という意味です(参考:【Excel】連続しない複数セルの範囲選択と解除、セル範囲の表記方法(初心者特訓Part1))。5行8列であることを表しています。このように、ドラッグするとその範囲の行数、列数をカウントすることができます。
これを利用して「10列目」に移動する場合、「1R x 10C」になるようにドラッグするという方法があります。
別解
選択範囲の大きさによっては、右下に表示されることもあります。
2.名前ボックス
(1)名前ボックスで指定した行に移動する
問題
名前ボックスを用いて100行目に移動しなさい。また、100行目を選択しなさい。
解説
名前ボックスとは数式バーの左側にある欄のことです。ここに「A100」と入力します。
EnterキーでセルA100に移動することができます。
また、「100:100」と入力すると、100行目全体を選択することができます。
(2)名前ボックスで指定した列に移動する
問題
名前ボックスを用いてH列に移動しなさい。
解説
名前ボックスに「H1」と入力するとH列に移動することができます。
(3)列番号からアルファベットを求める
問題
100列目の列番号(アルファベット)を求めなさい。また、100列目に移動しなさい。
解説
100列目のアルファベットはCV列なので「CV1」と入力すれば、もちろん移動することは可能ですが、100列目がCVであることはなかなか分かりません。行番号と列番号からセル番地を求める関数はADDRESS関数です。
- ADDRESS(行番号,列番号)
100列目の先頭のセルはADDRESS(1,100)です。CV1となります。
名前ボックスに入力して移動する場合は、さらに、INDIRECT関数を用いて、「indirect(address(1,100))」と入力します(参考:「INDIRECT関数」完全理解!別シートやセルを参照するメリットと使い方)。
これで100列目に移動することができます。
3.ジャンプ
問題
ジャンプ機能(参照先)を用いて、100行目・100列目に移動しなさい。
解説
ジャンプの画面を表示します(参考:【Excelジャンプ】空白セルを一括選択して一括コピーして一括削除する)。
通常は「参照先」のところにセル番地を入力します(名前ボックスと同じ)。「A100」と入力すると100行目に移動できます。
また、「indirect(address(1,100))」で100列目に移動することができます。ただし、名前ボックスと同じなので、わざわざジャンプの画面を出す必要はないと思います。
4.関数でハイパーリンクを作る場合
問題
HYPERLINK関数を用いて、100行目に移動するハイパーリンクを作成しなさい。また、100列目に移動するハイパーリンクを作成しなさい。
解説
HYPERLINK関数は、その名前の通りリンクを作成する関数ですが、シート内のセルに対するハイパーリンクを作成することも可能です。例えば、A100に対するリンクは「=HYPERLINK("#A100")」です。
100列目の場合はADDRESS関数を使います。
- =HYPERLINK("#"&ADDRESS(1,100))
作成したリンクをクリックすることで100列目に移動できます。
*補足*
ちなみに、セル番地の前には「#」が必要です。HTMLを知っている人ならご存知だと思いますが、Webページのアドレスの最後に「#」をつけて「URL#hoge」と記述すると、URL内の「name="hoge"」または「id="hoge"」の要素へ飛ぶことができますが、これと同じです。別のシートの場合は「#Sheet2!A100」です。
5.VBAイミディエイトウィンドウ
問題
ExcelVBAを用いて100列目に移動しなさい。
解説
マクロ(ExcelVBA)と言えばシステムやプログラムを作るというイメージがありますが、プログラムを作ることだけがマクロではありません。簡単な作業もマクロで処理することができます。Alt+F11でVisual Basic Editorを表示します(参考:【初心者向け】マクロとは何か?Excel VBA基本の使い方を徹底解説します!動画解説付き)。
イミディエイトウィンドウに「cells(1,100).select」と入力します。Enterキーで100列目に移動することができます。
6.数式の参照元への移動
問題
セルD10とセルG5を加算する計算式を入力した。セルD10へ移動しなさい。また、トレース矢印を削除しなさい。
解説
すでに数式の中でセルを参照している場合、参照元へジャンプすることができます。数式タブ、参照元のトレースをクリックします。
青色の矢印をダブルクリックすると、セルD10にジャンプします。
トレース矢印を削除します。
解説は以上です。