Excelには行方向と列方向(縦と横)があり、表の行列を簡単に入れ替えることができます(後述)。さらに、表の上下や左右を反転したり、90度回転、180度回転をすることができます。
Excelの表の向きを変えるには、Excel関数を用いる方法と関数を使わない方法があります。向きを変える前と後の表で連動する必要がある場合は関数を使います(OFFSET関数を使うのが一般的です)が、連動する必要が無い場合はわざわざExcel関数を使う必要はありません。
そこで、今回は、Excel関数を使わずに、表の上下左右を反転、斜め方向に反転、90度左右回転、180度回転する方法について解説します。
目次
1.行列の入れ替え
問題
セル範囲B2:E7にアルファベットA~Xを入力した。
(1)これをコピーして、行列を入れ替えて貼り付けなさい。
(2)貼り付けた表をもう一度、コピーして行列を入れ替えて貼り付けなさい。
*補足*
数式でアルファベットを入力する場合の数式は「=CHAR(ROW()*4+COLUMN()+55)」ですが、値の貼り付けをして数式を消しておいてください。
解説
コピーします。
行列を入れ替えて貼り付けを選びます。
「行列の入れ替え」とは行番号の方向と列番号の方向を入れ替えることです。
これによって、対角方向を対称軸として反転したことになります。これを「転置行列」といいます。
貼り付けたものをコピーします。
行列の入れ替えで貼り付けます。元の表と同じになります。
別解
「形式を選択して貼り付け」で値のみ、行列入れ替えで貼り付けでも構いません。
2.上下反転(行方向の並べ替え)
問題
セル範囲B2:E7の表をコピーして、上下を反転しなさい。
解説
コピーします。
右側または左側の列に連番を入力します。
範囲選択します。
ユーザー設定の並べ替えで、連番の列で降順にします。このとき、「先頭行をデータの見出しとして使用する」のチェックがはずれていることを確認します(参考:【Excel】並べ替えの昇順と降順、優先順位、グループ化、一部分だけの並べ替え)。
降順で並べ替えると、上下反転となります。
3.表の90度回転
(1)右回り90度回転(時計回り)
問題
セル範囲B2:E7の表を並べ替えによって上下反転した。これをコピーして、行列を入れ替えて貼り付けなさい。
解説
上下反転をするには連番を振って並べ替えをします(前述)。
コピーします。
行列を入れ替えて貼り付けます。
元の表と比較すると、右回り(時計回り)に90度回転していることが分かります。
このように、右回り90度回転(時計回り)するには上下反転してから、行列を入れ替えます。
(2)左回り90度回転(反時計回り)
問題
セル範囲B2:E7の表を左回り(反時計回り)に90度回転するにはどうすればよいか。
解説
90度回転を左回りにするには、上下反転と行列の入れ替えの操作を逆にします。まず、元の表をコピーします。
行列を入れ替えて貼り付けます。
次に、連番を入力します。
連番の降順で並べ替えて、上下反転します。
元の表と比較すると、左回り(反時計回り)に90度回転していることが分かります。
このように、左回り90度回転(反時計回り)するには行列を入れ替えてから、上下反転します。
4.表の左右反転(列方向の並べ替え)
問題
セル範囲B2:E7の表を左右反転しなさい。
解説
まず、元の表をコピーします。
行列を入れ替えて貼り付けます。
次に、連番を入力します。
連番の降順で並べ替えて、上下反転します。
これで、左回り(反時計回り)に90度回転となります。
さらに、これをコピーします。
行列を入れ替えて貼り付けます。
元の表と比較すると左右反転になっています。
このように、行列入れ替え、並べ替え、行列の入れ替えの順で操作すると、左右反転になります。
別解
コピーします。
上に連番を振ります。
範囲選択します。
ユーザー設定の並べ替えで、オプションのボタンをクリックします。
「列単位」にします。
連番の降順にします。
列方向の並べ替えになるので、左右反転になります。
5.対角方向の反転
問題
セル範囲B2:E7の表の左上と右下が逆になるように反転しなさい。
解説
元の表をコピーします。
上下反転をします。上下反転をするには連番を振って降順で並べ替えをします(前述)。
コピーします。
行列を入れ替えて貼り付けます。
これで、右回り(時計回り)に90度回転となります。
連番を振ります。
並べ替えで上下反転します。
元の表と比較すると、左上のAが右下に、右下のXが左上になります。右上のDと左下のUはそのままです。
このように、並べ替え、行列入れ替え、並べ替えの順で操作すると、対角方向の反転になります。
6.表の180度回転(上下左右反転)
問題
セル範囲B2:E7の表を180度回転しなさい。
解説
前述のとおり、上下反転と行列の入れ替えを1回ずつ行うことで90度回転となります。ということは、2回ずつ交互に行うことで180度回転となります(右回りでも左回りでも同じ)。
まず、行列入れ替え、並べ替え、行列の入れ替えの順で操作します。左右反転になります。
連番を振ります。
降順の並べ替えで上下反転します。
元の表と比較すると180度回転となります。
次に、並べ替え、行列入れ替え、並べ替えの順で操作したとします。対角方向の反転になります。
これをコピーします。
行列を入れ替えて貼り付けます。
元の表と比較すると180度回転となります。
別解
180度回転するのは、上下反転+左右反転の両方をするのと同じです。まず、縦に連番を振って、上下反転をします。
次に、横に連番を振って左右反転(列方向並べ替え)します。
これで180度回転(上下左右反転)になります。
7.まとめ
以上のことをまとめると次の図のようになります。
ただし、左右反転については「並べ替えオプション」で行うことができます。
解説は以上です。