わえなび ワード&エクセル問題集 waenavi

当サイトはWordとExcelの実力を鍛える最高水準の特訓問題集です。リンクを張るのは自由です。みんなで勉強しましょう!

パソコンのショートカットキーを上から教えたがる親切心が正直うざい。【ネ申速Excel】


ショートカットキーとは、通常マウスを使って行う作業をキーボードだけで行うことです。WordやExcelに限らず、パソコンの作業でショートカットキーが使えるようになると、時間短縮になるだけでなくストレスの軽減にもなります。

ショートカットキーが便利であることは言うまでもありませんが、残念なことに、「ショートカットキーを使ったほうが速いよ」「これくらいは覚えたほうが良い」などと、初心者に自慢したがる人がいるようです。余計なお世話です。

親切心なのか、マウントを取りたいのかは分かりませんが、初心者マークの車にクラクションを鳴らしてせかす「あおり運転」と同じであり、絶対に許されません。初心者の学習の邪魔をしているだけです。そこで、今回は、ショートカットキーを教えるときの注意点について、当サイトの見解を述べます。

目次

1.初心者にショートカットキーを教えてはいけない3つの理由

(1)スマホをキーボードで操作するのか?

パソコンの専門用語に「GUI」という言葉があります。GUIとは、グラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface)の略で、画像や図形、イラストを使って機能を分かりやすく表示した画面のことです。簡単に言えば、初心者がパソコンを操作しやすくするために、ボタンやメニューを表示している仕組みのことです。

WordやExcelもGUIです。

f:id:waenavi:20200107075008j:plain

 

現代のパソコンやスマホ、ゲーム機、テレビなどはほとんどGUIが採用されており、一般の利用者や初心者でも簡単に扱えるようにしています。初心者が、スマホをキーボードで操作することはありえません。「ここをタップすれば機能が使える」「ここを動かせば機能を選択できる」など、画面上の指示や動きだけで直感的に操作できたほうが分かりやすいのです(これをNUIということもある)。

f:id:waenavi:20200107174749j:plain

 

WordやExcelの初心者が、キーボード操作が速いとは限らないので、ショートカットキーを使って必ずしも作業が速くなるとは限りません。できるだけマウスを使って機能を覚えるべきです。

f:id:waenavi:20200107181130j:plain

 

(2)鍋奉行と同じ

鍋奉行とは、鍋を食べるときに他人にあれこれ指図するうざい奴のことです。自分の思い通りの鍋が完成しないと気に入らない自分勝手な人間とは鍋を囲みたくないですね。

  • 野菜はこっちに入れないと、肉はこっち、早く灰汁を取らないと
  • 今すぐ早く食べて、野菜も取ろうよ、まだ食べ頃じゃないからダメ
  • そもそも魚介の出汁を取るのであれば~、火加減を調整するのが大事なのよ~
  • 唐辛子をたくさん入れたほうが美味いから

キーボード操作を自慢げに教える行為は鍋奉行と同じです。「教えてあげている」という親切心と、アドバイスをしている自分に酔っているだけの自己満足であり、ハッキリ言ってありがた迷惑です

別に教えてほしくも無いのに、最悪のタイミングでウンチクを述べる人ほどうざいものはありません。「ショートカットキーを使ったほうが速い」というのはあくまで個人の感想であって、無理矢理聞かされるものではないのです。

 

(3)キーを複数押すことの抵抗感はハンパない

パソコンに慣れていない人はキーボード入力をできるだけ避けたいと考えています。キーボード上のキーを2つ以上同時に押すことは、初心者にとって苦痛以外の何物でもありません。無理矢理ショートカットキーの使用を強制して、キーボードアレルギーになったら責任取れますか?

特に、右利きの人が左手でキーを2つ押すことには抵抗があります。複数のキーを押すことはできるだけ避けなければなりません。

 

2.そんな偉そうに教えるほどのことか?

(1)ショートカットキーが速いとは限らない

WordやExcelでコピーをするには、コピーのボタンをクリックすればよいです。これが最も簡単な方法であり、初心者がまず習得しなければならない操作です。

[Ctrl]キーを押しながら[C]でコピーをすることができます。また、右クリック、右ドラッグ、Ctrl+ドラッグ、オートフィルなど、「コピー」という1つの機能で、複数の操作方法があります。これらは、状況に応じてやりやすい方法を選択して操作するべきであり、どれか1つの方法だけが正しいと決めつけるのは間違いです。

例えば、図形描画や罫線を引く作業ではマウスとキーボードを併用したほうが圧倒的に速いです。

 

また、1台のパソコンを2人で使う共同作業の場合(1人がパソコンを教える先生で、もう1人が習う受講生の場合など)、左側に座っている人がキーボードを使い、右側にいる人がマウスを使えば効率が良いです。

f:id:waenavi:20200111062729j:plain

 

(2)中途半端に知っている人ほど教えたがる

中途半端にパソコンを知っている人ほど自慢したがるようですが、残念ながら、マウスの作業をキーボードで行ったところでそんなに作業が速くなることはありません(後述)。WordやExcelの詳しい人はそのことを知っているので、ほどほどにキーボードを使えばいいと思っています。

くだらない秒単位の時間短縮よりも、Excelの機能と表の正しい作り方をマスターして業務改善したほうがはるかに時間の短縮になります。ショートカットキーのウンチクを述べている暇があったら、処理の仕方を変えるとか、マクロを組むとか、業務改善の方法を考えたほうがよいです

 

3.ショートカットキーの効果

(1)マウスとキーボードではそんなに差は無い

マウスを使っている人にショートカットキーを教えたとします。例えば、コピーのボタンをクリックしてコピーをしている人に、[Ctrl]+[C]のショートカットキーを教えたとします。このとき、短縮される作業時間は1秒未満です。ほとんど変わりません。

2つや3つ、ショートカットキーを教えたからと言って、その人の仕事のペースが変わるわけではないので、まったく意味がありません。

f:id:waenavi:20200107184711j:plain

 

(2)短縮される作業時間の計算式

ショートカット(Shortcut)とは「近道」のことです。普段から良く通る道であれば近道を使ったほうが便利ですが、知らない土地のまったく利用しない近道を覚えても何の役にも立ちません。

普段からよく使う機能であればその作業回数が多くなるので、短縮される作業時間も多くなります。全く使わない機能をショートカットキーにしてもその効果はゼロに等しいです。

ショートカットキーを使うにはそれを練習する時間が必要ですが、覚えたショートカットキーの組み合わせを思い出す時間も必要です。

f:id:waenavi:20200108075616j:plain

 

(3)よく使う機能なら思い出す時間も無視できる

普段からよく使う機能をショートカットキーで行う場合、最初は慣れないかもしれませんが、何回も繰り返しているうちに覚えてしまうものです。パソコンの端に付箋を貼って覚えようとしている人をたまに見かけますが、毎日、何回も繰り返す作業であれば付箋もいらなくなります。よく使う機能であれば、そのショートカットキーを思い出す時間もゼロになります。

f:id:waenavi:20200107185456j:plain

 

4.「よく使う機能」は人によって異なる

例えば、わえなび管理人は大量の動画を作っているのですが、ある動画編集ソフトでは[Alt]+[E]のショートカットキーで再生速度を変えることができます。5分の動画を作るのに20~30回くらい使いますので便利です。個人的にとても便利です。

f:id:waenavi:20200107190351j:plain

 

しかし、「便利」だと思っているのは動画を作っている人だけです。動画を見るだけの一般人がこんなショートカットキーを覚えたいと思いますか?いくら「便利」と言ったところで、動画を編集する人でない限り、このショートカットキーを覚えても何の役にも立ちません。

人によって、パソコンで使う機能は異なります。WordやExcelでも使う機能は異なります。上書き保存(Ctrl+S)をよく使う人もいれば、元に戻る(Ctrl+Z)をよく使う人もいます。

よく使う機能かどうかは人によって異なり、その機能をショートカットキーに切り替えたいかどうかはその人の気分次第です。ショートカットキーを使用すべきかどうかは、本人が決めることであって他人が強制するものではありません。

 

5.マウスボタンに割り当てる方法もある

最近のマウスには左ボタンや右ボタン、マウスホイールのほかに、上側や側面にたくさんボタンが付いているものもあります。本当によく使う機能であれば、マウスのボタンに割り当てたほうが速いです。

 

6.ショートカットキーの一覧は何のためにあるのか?

(1)暗記してはいけない

「ショートカット 一覧」で検索すれば、WindowsやWord、Excelのショートカットキーの一覧を見つけることができます。また、ショートカットキーの辞典やマウスパッドも販売されています。

このようなショートカットキー一覧は暗記するための物ではありません。また、忘れたショートカットキーを思い出すための物でもありません。

 

(2)よく使う機能を探す

前述のように「よく使う機能」は人によって異なり、その機能は本人にしか分かりません。ショートカットキー一覧は、自分のパソコンの作業を振り返って「同じ作業を繰り返している」機能を探すためにあります。

そして、「キーボードで作業したら便利かも?」と思ったときに、ショートカットキーを覚えればすぐに覚えられます。

 

7.ショートカットキーを教えるタイミング

「ショートカットキー一覧」というものが存在することを教えてもかまいませんが、特定のショートカットキーを「便利だから」という理由で教える必要はありません。便利かどうかは本人が感じることであって、他人が決めることではありません。

研修やセミナー、日常会話などで「どうやったらそんなに速くできるのか?」と聞かれたときにショートカットキーを教えるのがベターです。ただし、そのショートカットキーを習得するかどうかは本人の自由です。

 

8.当サイトについて

ちなみに、わえなびのYoutube動画解説はほとんどショートカットキーを使っておりません。それは、ショートカットキーを使うと画面上の変化が無く、分かりにくいからです。

また、当ブログの操作方法の解説もできるだけショートカットキーを使わないようにしています。必要最低限のショートカットキーだけを紹介しています。それは、ショートカットキーを大量に暗記することが必ずしもWordやExcelの上達につながるとは言えないからです。

 


解説は以上です。

 


 


Copyright(C)2018-2021 waenavi, All rights reserved. [www.waenavi.com 定礎 平成三十年八月]
Youtube | 公式サイト | twitter | 著作権 | 運営者情報 | お問い合わせ