わえなび ワード&エクセル問題集 waenavi

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Excel関数が苦手なら、関数名の変更と戻り値を最初に練習すべきである


Excelには400種類を超える関数が用意されており、組み合わせることによって長い数式で複雑な計算をすることができます。しかし、半角文字の入力が慣れていない人が、いきなり関数をキーボードで入力するのは抵抗があるはずです。また、他の人が作った数式を解読するのも難しいと思います。

オートSUMの使い方を覚えたら、関数の一部を修正しながら、関数名で関数を呼び出していることと、呼び出した結果が戻り値(返り値)であること、値が「返ってくる」という意味を少しずつ理解するべきです。

そこで、今回は、関数名の変更と関数の修正、戻り値、数式の計算結果との違いについて出題します。

目次

問題文のあとに簡単な操作方法を解説していますが、静止画では、わかりにくいと思いますので、最後に動画を載せています。ぜひご覧ください。

1.呼び出す、返す(復習)

問題

次の画面(関数の挿入)でCOUNT関数を探しなさい。

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解説

空白のセルを選択します。関数の一覧を表示するには、[fx]関数の挿入のボタンを押します。

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関数の分類をすべて表示にします。関数を1つだけ選択します。

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キーボードで、半角で「C」を押します。これで、C から始まる関数を探すことができます。

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COUNTのほかに、COUNTA、COUNTBLANK、COUNTIFといった関数があります。COUNTは、範囲内の数値が含まれるセルの個数を返します。

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COUNTを呼び出すと、数値データのセルの個数を返します。

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2.関数名のきまりと修正

(1)COUNTの復習

問題

次の表で、セルB7にCOUNT関数を用いて数値のカウントをしなさい。

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解説

[fx]関数の挿入のボタンを押します。

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COUNTを探します。

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B2:B6を選択します。

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これで完成です。数値データだけをカウントするので4人となります。

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別解

オートSUMボタンの数値データの個数を使うのと同じです。

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(2)呼び出す関数を変更する

問題

「COUNT」を「COUNTA」にしなさい。また、「COUNT」に戻しなさい。

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解説

関数の一覧で、COUNTのほかに、COUNTAという関数があります。

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先ほどのCOUNT関数の最後に、半角で「A」をつけます。小文字でも構いません。

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5になります。数値に限らずすべてのセルの個数をカウントしています。

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COUNTAは、空白を除くすべてのセルの個数を返します。

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このように直接入力によって呼び出す関数名を変えることができます。この場合、COUNTAが改めて呼び出され、再計算されて、5という答えが返ってきます。 

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COUNTAの「A」を消すと、COUNT関数が呼び出されて、4になります。

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(3)関数名を変えればいいというわけではない

問題

「COUNTA」に修正するときに、誤って「COUNTIF」にしたためエラーになった。この入力を取り消しなさい。

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解説

COUNTのあとにCOUNTAではなく、「COUNTB」と入力するとエラーになります。

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これは関数名が存在しないからです。

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今度は、COUNTのあとに、「IF」と入力します。

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COUNTIF関数は実際に存在する関数ですが、エラーになります。関数の使い方が間違っているというエラーです。

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このように関数名を変えれば、何でも答えが出るというわけではありませんので注意が必要です。

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関数名を変えた結果、その関数が存在したとしても、関数の呼び出し方が適当でない場合はエラーとなります。

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関数を間違えて選択した場合は、キャンセルで数式を取り消します(参考:【Excel】足し算、引き算、掛け算、割り算の入力、かっこ、累乗、パーセント)。

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修正する前の数式に戻ります。

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3.最大最小、平均を切り替える練習

問題

オートSUMボタンを用いてセルE7に合計を求めた。これを用いて、AVERAGE、MAX、MIN、COUNT、COUNTAをそれぞれ求めなさい。

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解説

平均はオートSUMボタンを用いて求めることができますが、同じ範囲であれば、絶対参照にして利用することができます。

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セルE8~E11にオートフィルをします。書式なしにします。

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セルE8をAVERAGEに変えます。

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最初の文字だけ入力して選択することもできます。

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同様に、関数名をMAX、MIN、COUNTに変えます。

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コピーしてセルE12に貼り付けます。

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COUNTをCOUNTAにします。

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これで完成です。

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4.関数の戻り値とは何か

問題

次の表について、セルB7のSUM関数の「戻り値」を答えなさい。

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解説

セルB7は合計を求めていて、135000という答えが表示されています。

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SUM関数は、合計を求める計算を依頼して、その合計を受け取るために呼び出します。計算結果として返ってきた値を、関数の「戻り値」または「返り値」といいます。

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レストランの場合、1つの料理を注文すると、運ばれてくる料理は当然1つです。運ばれてきたカレーが戻り値です(参考:【Excelの関数とは何か】カレー屋に行けば関数の仕組みがよくわかる)。

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これと同じように、Excelの関数は、1回呼び出すと、返ってくる戻り値は1つです。SUM関数を呼び出した結果が135000の場合、135000が戻り値です。

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5.関数の前後に演算を追加した場合を考えよう

問題

さきほどの問題で数式の最後に1.1倍をする演算を追加した。このとき、SUM関数の戻り値を答えなさい。

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解説

合計の式の後に「*1.1」とします。

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合計の1.1倍になります。

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まず、SUM関数にカッコ書きを付けた時点で、SUM関数が呼び出されます。

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合計をしたら、戻り値として返ってきます。したがって、SUM関数の戻り値は135000です。

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戻り値が返ってくると、関数名とカッコ書きの部分がなくなる代わりに、戻り値に置き換えられます。先頭のイコールはそのまま残って、「=135000*1.1」となります。この時点でSUM関数は消えます。

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掛け算を計算した結果149000は、先頭のイコールによって、セルB7に代入されます。この時すでにSUM関数は消えています。セルB7に149000と表示されるのは、先頭のイコールがあるからであって、SUM関数の効果ではありません。

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SUM関数の戻り値は135000ですが、数式の計算結果は149000です。

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6.数式の結果と関数の戻り値の違い

問題

次の表で、1~3の数式を入力したときの、数式の計算結果と関数の戻り値をそれぞれ答えなさい。

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解説

(1)=10*COUNTA(B2:B6)

まず、B2:B6の数値の個数をカウントします。

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Aを追加して、COUNTAにします。

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戻り値は、カウントした結果なので5です。

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COUNTAの前に10をかけます。

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10倍されて50になります。

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COUNTAを呼び出すと5が返ってきます。

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関数名とカッコ書きの部分が、戻り値の5に置き換わります。先頭のイコールと10*5が残ります。

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関数の戻り値が5で、数式の計算結果が50です。

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(2)=AVERAGE(B2:B6)&"cm"

B2:B6の平均を求めます(参考:【Excel関数】平均AVERAGEは、数値の個数COUNTを意識して使うこと)。

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戻り値は、平均した結果なので23です。

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&で"cm"を連結します(参考:【Excel】文字列結合、スペース・改行・ダブルクォーテーションの連結)。

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関数名とカッコ書きの部分が、戻り値の23に置き換わります。

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先頭のイコールと23&"cm"が残ります。

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文字列連結をして23cmとなります。関数の戻り値が23という数値で、数式の計算結果が23cmという文字列です。

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(3)=MAX(B2:B6)-MIN(B2:B6)

最大値を求めます。

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戻り値は、最も大きい値なので24.5です。

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MAX関数とカッコ書きの部分を選択します。コピーします(参考:【Excel関数】最大値MAXと最小値MINの差、最高最低を除いた合計の求め方)。

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マイナスを入力してから、貼り付けをします。

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MINに変更します。

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このように、1つの数式で、関数を2回以上呼び出すことは可能です。

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1回の注文で、2種類の料理を注文するのと同じです。

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関数2つを呼び出した場合、それぞれ戻り値が1個ずつ帰ってきます。

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関数名とカッコ書きの部分が、戻り値に置き換わります。

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引き算をすると、最大と最小の差、2.5になります。戻り値はあわせて2つありますが、計算結果は1つです。

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解説は以上です。


7.動画版はこちら(無料)

この記事は、わえなび実力養成講座「ファンダメンタルExcel」Program 11-3、11-4 のYoutube動画を書き起こして、加筆修正したものです。

 


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