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【Excel消費税】10パーセント増し、10パーセント引きを計算するのに関数はいらない


消費税が10%になったことにともなって「10パーセント」を足すまたは引くといった計算が増えることが予想されます。ということはExcelで計算することも増えてくるでしょう。

ところで、日本に消費税という制度が導入されたのは平成元年(1989年)のことですから、すでに30年が経過しています。パーセントを足すまたはパーセントを引くという計算は日常生活に定着したものと思われます。しかし、いまだに「パーセント 関数」「パーセント エクセル」というキーワードで検索するのは、さすがに勉強不足といわざるをえません。

そこで、今回は、Excelで10パーセントの計算をするだけの解説をしたいと思います。

目次

0.はじめに

10パーセント以外の計算、消費税関連については、こちらの記事をご覧ください。

 

1.10%の計算

(1)10%の計算をする3通りの方法

問題

セルA1に「20000」と入力した。この値の10%を求めなさい。

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解説

10%は元の数の10分の1にする計算です。

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暗算するには右にずらせばいいだけです。

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Excelで10%を計算するにはおもに、次の3つの計算方法があります。10%を計算するには、掛け算か割り算をするだけなので関数は不要です。

  • 10%を掛ける「*10%
  • 0.1を掛ける「*0.1
  • 10で割る「/10

「=A1*10%」と入力します。

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「=A1*0.1」と入力します。

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「=A1/10」と入力します。3つとも同じ答えになります。当たり前ですが・・・

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これらの計算方法にはメリットとデメリットがありますから、3つとも使えるようにしなければなりません。

一番わかりやすいのは10で割るだけの「/10」であり、入力する文字数が少なくて済みます。しかし、軽減税率で8%だったらどうするのかという問題があり、応用できないというデメリットがあります。パーセントの計算は掛け算をするのが一般的です。これについては次の3点を絶対暗記しなければなりません。

  • 10%とは、10%を掛けることである
  • %という記号は、100で割ることと同じ(%という記号は1と0と0を組み合わせたものと覚える)
  • 10%は10/100なので0.1倍と同じ

 

(2)すでに10%が入力されている場合

問題

セルA1に「20000」、セルA2に「10%」と入力した。20000の10%を求めなさい。

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解説

セルに10%と入力されている場合に、計算式の中に10%と入力してはいけません。「=A1*A2」と入力します。

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A2を8%に変えると、答えも8%(1600)になります。

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2.10パーセント増、10パーセント引き

問題

セルA1に「20000」と入力した。10%加算しなさい。また、10%引きを計算しなさい。

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解説

10%増は元の数の10分の1を加算する計算です。つまり110%です。

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Excelで10%増を計算するにはおもに、次の2つの計算方法があります。10%増は、110%を計算するのと同じなので関数は不要です。

  • 110%を掛ける「*110%
  • 1.1を掛ける「*1.1

「=A1*110%」と入力します。

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「=A1*1.1」と入力します。

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10%引きは元の数から10分の1を減算する計算です。つまり90%です。

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Excelで10%引きを計算するにはおもに、次の2つの計算方法があります。10%引きは、90%を計算するのと同じなので関数は不要です。

  • 90%を掛ける「*90%
  • 0.9を掛ける「*0.9

「=A1*90%」と入力します。

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「=A1*0.9」と入力します。

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3.すでにパーセントが入力されているときの割増、割引

問題

セルA1に「20000」、セルA2に「10%」と入力した。20000の10%増、10%減を求めなさい。

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解説

セルに10%と入力されている場合に、計算式の中に10%と入力してはいけません。割増、割引は次の計算方法となります。これも絶対暗記です。100%=1を基準として、パーセントを足せば割増、パーセントを引けば割引です。

  • 割り増し・・・「*(1+パーセント)
  • 割り引き・・・「*(1-パーセント)

「=A1*(1+A2)」と入力します。

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「=A1*(1-A2)」と入力します。

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4.10パーセント増、10パーセント引きにする前の値段

問題

(1)すでに10%増した金額をセルA1に入力した。10%増にする前の値段を求めなさい。
(2)すでに10%引きをした金額をセルB1に入力した。10%引きにする前の値段を求めなさい。

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解説

10%増は110%のことですが、110%にする前の金額を求めるには掛け算の反対なので割り算をすればよいです。

  • 110%でわる「/110%
  • 1.1でわる「/1.1

「=A1/110%」と入力します。「=A1/1.1」と入力してもかまいません。10%増にする前の値段は9000円です。

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10%引きは90%のことですが、90%にする前の金額を求めるには掛け算の反対なので割り算をすればよいです。

  • 90%でわる「/90%
  • 0.9でわる「/0.9

「=B1/90%」と入力します。「=B1/0.9」と入力してもかまいません。10%引きにする前の値段は11000円です。

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5.「10パーセントを減らす」には2つの意味がある

(1)100%を90%にする

問題

セルB1に税込価格を入力した。10%引きの割引価格を求めなさい。

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解説

元の販売価格の10%を減らす計算ですから、残りの90%が割引価格になります。10分の1を減らして10分の9の部分を求める計算です。

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「=B1*90%」と入力します。

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(2)110%を100%にする

問題

消費税10%の税込金額をセルB1に入力した。税抜金額を求めなさい。

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解説

税込価格というのは既に10%の消費税が加算されて110%を計算した価格です。そのうちの10%を無くす計算です。つまり、11分の1を減らして11分の10の部分を求める計算です。

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これは110%でわります。「=B1/110%」と入力します。

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(3)100%と110%の違い

さて、この2つの問題の違いは何でしょうか?10%を減らす計算をするとき、元の価格が100%か110%かによって計算方法も異なり、計算結果も異なります。

10%割引の「10%」は販売価格をもとに計算されます(税込かどうかは無関係)。販売価格を100%としてそのうちの10%を減らす計算となります(掛け算)。

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これに対して、税込価格に含まれる10%の消費税は、求めようとしている税抜価格をもとに計算されたものであり、加算した結果が税込価格になるのです。したがって、消費税を10%としたときの税込価格は100%ではなく110%です。そのうちの10%を無くす計算になるのです(割り算)。

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6.10パーセント増やした後に10パーセントを減らす

問題

税抜金額をセルB1に入力した。消費税10%を加算した金額で販売し、レジでその10%を割引した金額を求めなさい。

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解説

上記のことが分かっていれば、この問題も2つの答えが考えられることが分かると思います。まず、税込み価格を求めます。「=B1*110%」です。

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10%の割引をするということですからさらに90%をかけて「=B1*110%*90%」とすればよいです。通常はこれが正しいです。

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1.1倍x0.9倍=0.99倍つまり99%になるので、元の金額より1%分だけ減ります。

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しかし、消費税分だけ引くという意味であれば、消費税を加算する前の金額を求めるということですから、割り算になります。「=B1*110%/110%」となります。掛け算の後に割り算をしているので元の金額と同じになるのは当たり前のことです。

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7.値引きの計算

問題

税抜価格10000円に10%の消費税を加算して、販売価格を11000円とした。この販売価格を10000円未満(4桁)にするためには、税抜価格をいくらにすればよいか。また、いくら値引きをすればよいか。

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解説

販売価格が10000円の場合、その税抜価格は110%で割れば求められます。9090.909・・・となります。

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10000円未満にするためには、元の値段もそれより少なくしなければならないのですから、9090円と設定すればよいです。値引き金額は10000-9090で910円となります。

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税込価格は(10000-910)*110%で9999円となります。

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8.小数点以下切り捨てとパーセントの計算

(1)INT関数と小数の誤差

問題

税抜価格1234円の商品を12個購入するとき、税込価格の合計を求めなさい。ただし、税込価格の1円未満は切り捨てとする。

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解説

消費税が10%のとき、元の価格が10の倍数でないときに端数(1円未満の小数の金額)が発生します。消費税を計算するときに、パーセントを増やすまたは減らす計算をするのと、小数点以下の切り捨てをする計算は別々に考えなければなりません。パーセントの計算に関数は不要ですが、小数点以下を切り捨てるのは関数が必要です。

1234円の税込価格を求めます。小数になりますが、このまま放置してはいけません。

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必ず「INT()」で囲んで小数点以下を切り捨てます。1357円となります。

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これを12倍すれば税込価格の合計となります。16284円となります。これは商品1個1個に税込の値札(1234円+税)がついていて、これを12個買った時の値段です。

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次に、税抜価格を12倍したとします。14808円です。

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税込価格にします。小数になりますが、このまま放置してはいけません。

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必ず「INT()」で囲んで小数点以下を切り捨てます。16288円となります。

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このように計算方法によって税込価格が異なります。商品ごとに消費税を計算するのか、伝票合計に対して消費税を計算するのかは事業者が自由に決められますが、企業内で統一しなければなりません。各企業で規則を定めて全社員に徹底しなければなりません。

 

(2)消費税額だけを求める

問題

税込金額が1357円のとき、税抜金額と消費税額を求めなさい。

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解説

税込金額が分かっている場合に、税抜金額は110%で割ればよく、その10%が消費税額です。

  • 税抜=税込/110%
  • 消費税額=税込/110%*10%

しかし、さきほどの問題のように、実際の税込価格は小数点以下を切り捨てた金額であり、単純に110%でわるだけで税抜金額が求められるわけではありません。また、消費税額はちょうど10%になるとは限りません。1357円を110%でわります。小数になります。

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これは切り上げをします(参考:Excelの関数で消費税抜き価格を10%の税込価格に変更する方法と端数処理)。1234円となります。

  • 税抜=ROUNDUP(税込/110%,0)

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税込/110%*10%を計算します。これは切り捨てです。1234+123=1357となり、計算が合います。

  • 消費税額=INT(税込/110%*10%)=INT(税込/11)

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解説は以上です。


 


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