Wordで大きい表の中に小さい表を入れることを「複合表(入れ子)」といいます。複合表には主に2つの使い方があります。
1つは複雑な表を簡単にするために用いる場合です。例えば、大きい長方形の中に3行3列の表を入れたい場合、5行5列の表を作ればよいですが、複合表を使えば、大きい表の中に3行3列の表を入れることになります。
もう1つは外側の大きい表を透明なレイアウト枠として用いる方法です。5行1列の表を横に5つ並べたい場合、5行9列の表を作ればよいですが、複合表の場合、5列の透明な表の中に小さい表を入れます。しかも内側の5つの表はコピーをすることができます。
このように複合表を用いることによって表の構造が分かりやすくなり、作りやすくなります。そこで、今回は複合表を効果的に使う方法について出題します。
目次
問題文のあとに簡単な操作方法を解説していますが、静止画では、わかりにくいと思いますので、最後に動画を載せています。ぜひご覧ください。
1.複合表の作り方と注意点
問題
(1)複合表ではない方法と(2)複合表にする方法の2通りの操作方法で、次の表を作りなさい。
解説
(1)複合表ではない方法
2行2列の表を挿入します。右下のセルにカーソルを置きます(参考:【Word罫線】初心者のための表の作り方と範囲選択の基本トレーニング)。
セルの分割によって、5行5列に分割します。
列幅を調節します。
さらに、3列を選択して列幅を揃えます。
5行5列を選択して、線種とページ罫線と網掛けの設定の画面を出します(参考:【Word表作成】線種とページ罫線と網掛けの設定を使った罫線の種類の一括変更)。
内側の線だけ消します。
3行3列を選択します。
格子に線を引きます。
これで完成です。
(2)複合表にする方法
2行2列の表を挿入します。
右下のセルにカーソルを置きます。改行します。
2行目に、3行3列の表を挿入します。
表の下にスペースを入れておきます。これで完成です。
Wordで大きい表の中に小さい表を入れることを「複合表(入れ子)」といいます。
複合表には上下に1行以上の空行が必要です(※例外があります)。
原則として、小さい表は2行目以降に挿入します。
また、下にはスペースを入れて1行分を確保します。
下の線を動かして、下の余白を確保することも可能です。
2.透明なレイアウト枠
問題
複合表を用いて、次の図のように3行3列の表を4つ並べなさい。
さらに、10個に増やしなさい。
解説
2行2列の表を挿入します。
表を全部選択します。枠なしにします。
改行します。2行目に、3行3列の表を挿入します。表の下にスペースを入れておきます。
セルを選択します。コピーします。
他のセルに貼り付けます。
これで完成です。
さらに、2行目を選択します。コピーします。
2行目の先頭をクリックします。
3回貼り付けます。10個になりました。
複数の表を縦横に並べる場合も複合表として考えます。透明な表を外側にして、その中にかきます。
3.大量生産する
問題
次の図のように長方形を大量に作りなさい。
解説
小さい表を大量に作る時には複合表を使います。1行4列の表を挿入します。
罫線を消します。
セルの配置を中央(上下左右中央)にします。※大量に作成するときは改行をせず、上下中央にすればよいです。
その中に、小さい表をかきます。
これをコピーします。
4.複合表にしてはいけない表
(1)外側の表と内側の表が罫線でつながっている部分がある場合
問題
次の表を作りなさい。
解説
1行2列の表を挿入します。
改行します。
2行2列の表を挿入します。
幅を狭くします。
コピー・貼り付けをします。
このように、表の中に表があるときは原則として複合表にしたほうが簡単です。
ところで、いっぱんに、2つの表を罫線でつなぐことはできません。
罫線で区切るためにはその左右が「セル」でなければならないので、2つではなく1個の表にしなければなりません。
複合表の場合も、外側の表と内側の表を罫線でつなぐことはできません。
セルの分割で7行4列に分割します。
7行4列を選択して、線種とページ罫線と網掛けの設定の画面を出します。内側の線だけ消します。
2行2列を選択します。
格子に線を引きます。
4つのセルを選択します。
右側に罫線を引きます。
これで完成です。
外の表と内側の表に完全な隙間がある場合は、複合表で作成します。
1か所でも、外側の表と内側の表が罫線でつながっている部分がある場合は、複合表でありません。
(2)外側の表の罫線が、内側の表に合わせて途切れている場合
問題
さきほどの問題で作った表を利用して、次の表を作りなさい。
解説
この表は外側の表と内側の表を罫線でつないでいないので、複合表のように見えます。
さきほど作成した表のうち、左側の部分をコピーします。貼り付けます。左下の部分を点線にすることができません。
外側と内側の表が罫線でつながっていなくても、外側の表の罫線が、内側の表に合わせて途切れている場合は、複合表にしてはいけません。
また、外側と内側の表の間を塗りつぶしているなど、1個の表にしたほうが良い場合があります。
複合表は、外側と内側が離れていて、しかも、完全に独立している場合に限られます。
右半分をコピーします。
罫線を直して完成です。
解説は以上です。
5.動画版はこちら(無料)
この記事は、わえなび実力養成講座「ファンダメンタルWord7」Program 7-14のYoutube動画を書き起こして加筆修正したものです。

ちなみに、Wordの罫線と表作成の動画は全部で26本あります。
すべて無料公開しています。ぜひご覧ください。