Excelやプレゼンテーションで、円グラフやドーナツグラフをあまり使わない方が良いという意見があります。確かに、円形のグラフは大小関係が分かりにくいとか、四角いスライドに円はおさまりが悪いとか、デザイン的に使いにくいかもしれません。
どちらかといえば、図形を描いたり、半円グラフ(半円ドーナツグラフ)にしたりするときに使うことが多いです(参考:基本的な書式設定の方法を知らなければ描くことができません。
)。しかし、このような図形を描く場合であっても、そこで、今回は、円グラフとドーナツグラフの基本的な変更と書式設定と、二重の円グラフ(ドーナツグラフ)の作り方について出題します。なお、複雑な円グラフについては別の記事で説明しています(参考:
)。
- 複数系列グラフのデータソース、項目名、系列名を手動で変更する方法
- 【Excelグラフ】凡例の改行、数値軸のマイナスの扱い、系列の重なりなど
- 積み上げ棒グラフと区分線、合計の表示、100%積み上げ
- 円グラフとドーナツグラフの書式設定と二重の円グラフの基本
- グラフの種類を変更して棒グラフと折れ線グラフを組み合わせた複合グラフを作る
- 2軸の複合グラフを作る方法とパレート図の作り方
- Excelグラフ間違い探し!どこを編集したらよいかを見つける練習問題
グラフまとめ グラフを作成するための「理論」を本気で勉強すべきである
目次
問題文のあとに簡単な操作方法を解説していますが、静止画では、わかりにくいと思いますので、最後に動画を載せています。ぜひご覧ください。
- 1.円グラフの切り離し
- 2.円グラフのラベルの位置と引き出し線
- 3.円グラフのパーセンテージ
- 4.ドーナツグラフの穴の大きさ
- 5.ドーナツグラフの外側にデータラベルを表示する
- 6.二重の円グラフ
- 7.2つの円グラフ・ドーナツグラフを重ねて複雑な円グラフを作る
- 8.動画版はこちら(無料)
1.円グラフの切り離し
問題
左の円グラフを修正して、右の完成イメージのようにしなさい。
解説
円グラフの系列は切り離すことができます(参考:【Excel】グラフの編集は「グラフ要素の選択」を最初に練習すべきである)。系列を、円の外側にドラッグすると切り離しとなります。
これを「系列の切り離し」といいます。
いったん選択を解除します。今度は系列を内側にドラッグします。これで元に戻ります。
系列を1つだけ選択するには2回ゆっくりクリックします(ダブルクリックにならないようにゆっくり2回クリックすること)。外側にドラッグします。これで系列を1つだけ外に移動することができます。
これで完成です。
円の一部を切り離すには、1つだけ選択してから外側にドラッグします。
2.円グラフのラベルの位置と引き出し線
問題
左の円グラフを修正して、右の完成イメージのようにしなさい。
解説
データラベルを外側に表示します(参考:【Excel】文字列を挿入するグラフ要素(グラフタイトル・軸ラベル・データラベル・テキストボックス))。
データラベルを1つだけ選択します(ダブルクリックにならないようにゆっくり2回クリックすること)。書式設定の画面を表示します。ラベルオプションにラベルの位置があります。これを内部外側にします。このように、ラベルの位置は書式設定で変えることができます(参考:【Excel】グラフ書式設定総論(線の種類、塗りつぶし、文字列の設定方法))。
データラベルを1つだけ選択します(ダブルクリックにならないようにゆっくり2回クリックすること)。外側にドラッグします。線が現れました。
データラベルと系列を結ぶ線を「引き出し線」といいます。データラベルを外側にドラッグすると引き出し線が現れます。
※円グラフ以外で引き出し線が使えるのはExcel2013以降のみ
データラベルのラベルオプションの中に引き出し線を表示する項目があります。
引き出し線を選択します。線の色を赤色にします。これで完成です。
引き出し線の書式は、引き出し線の書式設定の画面ですが、引き出し線を表示するかどうかは、データラベルの書式設定のラベルのオプションにあります。
3.円グラフのパーセンテージ
問題
次の円グラフをかきなさい。また、次のように修正しなさい。
解説
グラフをかくためには、表を作る必要があります(参考:【Excel】グラフの基本操作、挿入と削除のトレーニング、作成範囲と印刷範囲)。
円グラフを挿入します。
グラフタイトルと凡例を削除します。
データラベルを内部外側に追加します。
フォントサイズを大きくします。
データラベルを選択して、書式設定の画面を表示します。ラベルのオプションで、分類名と値、パーセンテージの3つにチェックを入れます。また、区切り文字を改行にします(参考:【Excel】文字列を挿入するグラフ要素(グラフタイトル・軸ラベル・データラベル・テキストボックス))。
フォントの色を変えます。
「図形内でテキストを折り返す」のチェックを外します。これで完成です。
円グラフは割合を表すグラフなので、構成比率は合計を100%として自動で計算されます。
したがって、表に入力または計算しなくても、パーセンテージで表示することができます。
さらに、値のチェックを外します。
表示形式を「パーセンテージ」、小数点以下の桁数を「2」にします。表の中にはパーセンテージはありませんが、円グラフではパーセンテージだけを表示することも可能です。これで完成です。
4.ドーナツグラフの穴の大きさ
問題
次のようなグラフをかきなさい。ただし、内側の文字列はセルB1を参照しなさい。
解説
範囲選択します。グラフの中からドーナツグラフを選択します。
内側に穴のあいたグラフを「ドーナツグラフ」といいます。
誤って円グラフを挿入してしまった場合、円グラフとドーナツグラフではグラフの種類が違うので、グラフの種類の変更をします(参考:【Excel】棒グラフ・折れ線グラフ・円グラフの使い分けと種類の変更)。
グラフタイトルと凡例を削除します。
系列を選択して書式設定の画面を表示します。系列のオプションでドーナツの穴の大きさを調節することができます。
データラベルを挿入します。
書式設定の画面を表示します。分類名と値を表示します。区切り文字を改行にします。
グラフエリアを選択して、テキストボックスを挿入します。セルB1を参照します。
これで完成です。
5.ドーナツグラフの外側にデータラベルを表示する
問題
次のドーナツグラフを作りなさい。
解説
表を選択してドーナツグラフを挿入します。
グラフタイトルと凡例を削除します。
データラベルを挿入します。このときデータラベルをドーナツの外に表示することができません。
1つずつ選んで外に移動することはできますが、あまりきれいではありません。
そこで、表をコピーします。
グラフを選択します。
グラフに貼り付けます。外側に同じドーナツができます。二重のドーナツグラフになります。
ドーナツグラフを挿入してから、表をコピーして、そのドーナツグラフに貼り付けることによって、二重のドーナツグラフができます。
外側のドーナツを選択します。データラベルを追加します。
データラベルを選択します。書式設定の画面を表示します。分類名と値にして、区切りを改行にします。
いったん選択を解除します。外側のドーナツを選択して書式設定の画面を表示します。塗りつぶしと線をなしにします。
ドーナツの穴の大きさとプロットエリアの大きさを適度に調整します。
これで完成です。
ドーナツグラフの外側にデータラベルを表示するには、二重のドーナツグラフを作ってから、外側のドーナツにデータラベルを追加します。
6.二重の円グラフ
問題
次のグラフをかきなさい。
解説
表を全部選択します。ドーナツグラフを挿入します。
系列を選択します。
穴の大きさを0にします。
二重の円のようになっているグラフは、円グラフではなくドーナツグラフです。ドーナツグラフは複数系列に対応しています(行列の切り替えも可能)。
ドーナツグラフは内側の円からかいていくので、内側が第1系列(4月)、外側が第2系列(5月)です。
7.2つの円グラフ・ドーナツグラフを重ねて複雑な円グラフを作る
解説は以上です。
8.動画版はこちら(無料)
この記事は、わえなび実力養成講座「ファンダメンタルExcel」Program 9-23、9-23-2、9-25 の3本のYoutube動画を書き起こして、加筆修正したものです。
- ファンダメンタルExcel 9-23 グラフ要素各論11(円グラフ・ドーナツグラフ)【わえなび】(ファンダメンタルExcel Program9 グラフの基礎) - YouTube
- ファンダメンタルExcel 9-23-2 補講 ドーナツグラフの外側にデータラベルを表示する【わえなび】(ファンダメンタルExcel Program9 グラフの基礎) - YouTube
- ファンダメンタルExcel 9-25 行列の切り替え【わえなび】(ファンダメンタルExcel Program9 グラフの基礎) - YouTube
ブログ記事と動画解説で使用しているExcelファイルは、わえなび公式サイトで配布しています。「サンプルファイル(ZIP)」をダウンロードします。
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